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*4*
5.幼馴染。
「うわあ…広いね。」
「うん。」
吹き抜けのリビングには、
大きな窓と
白いプロペラ。
羽田空港で待ち合わせた私たちは
すぐに打ち解け、
昼頃には別荘に到着した。
「で、何して遊ぼうか。」
お母さんたちは
向こうのキッチンでランチをつくっている。
「ねえ、これなんかどう?」
私は、大きいバッグからオセロセットを取り出した。
これ、キチ兄からもらったやつ。
「オセロ…?」
「うん。クリスマスプレゼントでもらったんだよ。」
「へぇ。」
陽希が目を丸くする。
私とは違った、黒くて澄んだ瞳。
それに
男の子特有の、女の子を馬鹿にするような態度も無い。
なんで?
ちょっと不思議だったけど、
私は オセロを広げた。
結果は私の負けだったけど、
陽希は
シュウ兄や真純ちゃんの話をちゃんと聞いてくれた。
「その3人、面白いね!」
「でしょ?」
このときは、
まさか
陽希がカレシになるなんて、思ってもなかったわけで。
それぞれの想いをのせ、
日本の初めての夏は幕を閉じた――
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