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名探偵コナン夢物語 過去編1
作者: らいち。  (総ページ数: 9ページ)
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*5*


6.ひとりきりのクリスマス・イヴ。〜哀しみ〜

寒い。
寒い!
寒いーっ!

秋があっという間に終わりました。


日本に来て初めてのクリスマス・イヴ!

でも、

つまらない。
つまらない!
つまんなーいっ!

だって、
今年は 真純ちゃんたちに会えないんだもん!!


留守番の退屈しのぎ。

目の前に置いてあるのは、
去年 真純ちゃんたちにもらった、クリスマスプレゼント。

シュウ兄からの、ヘアブラシ。
真純ちゃんからの、うさぎのぬいぐるみ。
キチ兄からの、オセロセット。

そして、
おばさんが作ってくれた、きれいな写真立て。
ガラス製のふちに、キラキラしたスワロフスキーが並んでるの。
中には 赤井家と芹井家の集合写真。


あーあ。
つまんない。

暖房の風の音だけが響く。

窓の傍に置いてあるクリスマスツリーの飾りが灯りを反射する。


私は 写真立てをテーブルの上に置き、
窓から外を見おろした。

ちらちらと舞う雪。
きらびやかなイルミネーション。
通りを楽しそうに歩いている家族。

いいな。
楽しそうだな。

そう思ったら、だんだん夜景がにじんできた。


今日は、クリスマス・イヴ。

サンタクロースなんて、信じられないよ。

だって、

私の一番の願いは、


おとう… パパが帰って来ることなのに。


ねぇ…

「ただいま」って、帰って来てよ…

「今までのこと、全部ウソだよ」って言ってよ…


心の中で、
何回も呼びかける。


そうしていたら、
いきなり 電話が鳴り始めた。



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