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暴走族な彼。 ≪完結≫
作者: みるく  (総ページ数: 39ページ)
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10~ 20~ 30~

*23*

〜19〜逃げ出す方法2

花「ね、ねっ!..ウチ眠い、なんかかぶるものない?」

彌彙屡厨の人に言う。

眠いのは嘘。

こんな夜中に翔君達を呼び出すとか..考えたらウチが寝てるわけにはいかないし。


?「わりゃぁ、あほか。そんなもんないけぇ。さっさとねとけぇ」

花「..無理。じゃあこのロープみたいなのとってーや。」

?「それはむりじゃ。」


やっぱり無理か......。

当たり前か。

捕まえた女、簡単に逃がすほどこの人達もバカじゃないと思うし..。

次はどーしよ。


花「...じゃあ、トイレ無い?」

トイレなら...ロープほどいてくれるんじゃ...。


?「トイレはあるけぇ。」

彌彙屡厨の人がそう言った。

よしっ!

小さく誰にも見られないように笑顔を作った。


花「じゃあさ、トイレ貸してや。ウチ、お腹痛かったの。」

?「ふん。今だけじゃけぇのぉ。」

なんて言いながらも渋々ロープを取ってくれる。


静かにロープがウチの体から落ちていく。

やっと解放されたみたいでなんだかすごい嬉しくなった。


花「速く、トイレ案内してよ...。お腹いたっ..い。」

?「あ、ぁあ。」

焦ってる彌彙屡厨のひと。

笑いそうになるけど我慢して演技を続けた。


暗い廊下にでると、小さい窓が一つ..二つ...。

窓から月の光が差し込んでいた。

壁は黒いペンキで塗られていてまるで刑務所に入ったみたい....。


?「おいっ。ついたけぇ。」

花「えっ、あ、はい。」

周りをジロジロ見ていたから変な目で見られていた。

ま、いっか。


花「ありがとう。」

彌彙屡厨の人にそう言って、トイレと書かれているドアを開けた。


?「わしは此処らへんにいとくけぇ。はよせぇよ。」

花「うん。わかってるー」

テキトーに返事してトイレにはいった。


....けして綺麗とは言えない便器。

その便器はひとつひとつの個室にある。


花「あっ!あった...。」

無意識のうちに一番右のトイレを指さしていた。

右のトイレは他のとあんま変わらないけど一個違うとこがある。

廊下みたいに窓がある。

それも大きくて人一人通れるか通れないかぐらい。


花「恐いけど...翔君には迷惑かけれない」

まだ広島に来てそんな経ってないけど翔君の事ばかり考えちゃう...。

またカオリさんに相談しよっ!

理子さんにも....。

数さんにもまたジュースおごってもらうんだ。


そう決意してトイレに行った。

木で出来たドアに鍵を閉めて窓を開けた。

錆びててなかなか開かない窓。

やっと開いてぱっと月のが差し込んできた。

                      つづく....

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