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我落多少年とカタストロフ【完結】
作者: 月森和葉 ◆Moon/Z905s  (総ページ数: 42ページ)
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10~ 20~ 30~ 40~

*20*

 それから数日が経つ。
 遥香と三波、それに悠人までが霧と顔を合わせようとしない。
 内心、霧の心中は穏やかではなかった。
 もうすぐあの日を控えている。
 自分はどうするのか、そして友人達とはどうするのか。
 二学期の中間テストを目前にした今、焦るばかりで全く勉強もはかどらない。
 そんな中、悲しみに打ちひしがれていた一人の少女が、動いた。

 朝、学校に登校し靴箱を開けると、三波の字でメモが置かれていた。
『今日の放課後、四時頃に、屋上にいらして下さい。お話したいことがあります』
 なんだろうと思って霧はメモをポケットに入れた。
 断っておくが、霧はこの呼び出しが何のことなのか全く分かっていない。
 何か起きたのだろうかくらいにしか考えていないのだ。
 彼は、極度に鈍かった。
 それが、それだけが、たった一つの彼の難点なのだ。

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