完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

終わらせよう 【完結】
作者: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU  (総ページ数: 26ページ)
関連タグ: シリアス・ダーク 長編 殺し 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~

*13*

 勇香が右手のナイフを突き出してくる。

 それを、右手に持ったナイフで止める。

 右手同士はそのまま、左手に持った包丁と矢でぶつけ合う。

 右手と左手が離れる。

 今度は俺が左の矢で鼻先を狙う。

 左の包丁で跳ね返された。

 その時に矢が折れたので、ベルトからほかの矢を取り出す。

 残り本数、あと3本。

 ナイフとナイフをぶつけ合う。

 腕力としては俺の方が勝っているようで、全力で押していれば勇香の方に刃先は向く。

 だが、勇香は一瞬力を緩め、俺のナイフをよける。

 スピードは、勇香の方が上だ。

 すぐに包丁をこちらに振り下ろされる。

 半歩右へ、よけた。

 俺のナイフが勇香の首筋を狙う。

 1歩前へ、よけられた。

 だが、背中はこちら側にある。

 矢でもう一度首筋を突こうとすると、

「キヲツケ、レイ!」

 掛け声とともに礼をされたせいで、矢は空を切った。

 さっき刺されたせいで、俺は右足をほぼ使えない。

 左足を包丁で刺されかけて……右へ跳ぶ。

 勇香の右に並ぶ形になった。

 勇香が向かい合ってくる。

 突き出された包丁を矢で跳ね返す。

 矢が折れて、取り替える。

 持っているものを含めて、あと2本。

 つまり、あと2回折ったらまずい。

 ナイフを突き出されて、ナイフで跳ね飛ばす。

 今度は包丁を飛ばしてきた。

 矢でやりあって……それが折れた。

「チッ」

 舌打ちをしながら、矢を取り換える。

 最後の1本だ。

 ナイフを勇香の顎に飛ばす。

 包丁で跳ね返された。

 そのまま、包丁で攻撃してくる。

 ナイフで対応するも、跳ね返せない。

 そのまま、ナイフを飛ばしてきた。

 ナイフを使えない限り、矢で対応するしかない。

 と思って矢をぶつけると……

 それが折れるのが、視界の隅で確認できた。


 ヤバい。


 また、勇香がナイフで攻撃してきて、それをよけると―――








 ドスッ








 俺は仰向けになって倒れ、勇香は胴にまたがる体制を取った。

12 < 13 > 14