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*13*
勇香が右手のナイフを突き出してくる。
それを、右手に持ったナイフで止める。
右手同士はそのまま、左手に持った包丁と矢でぶつけ合う。
右手と左手が離れる。
今度は俺が左の矢で鼻先を狙う。
左の包丁で跳ね返された。
その時に矢が折れたので、ベルトからほかの矢を取り出す。
残り本数、あと3本。
ナイフとナイフをぶつけ合う。
腕力としては俺の方が勝っているようで、全力で押していれば勇香の方に刃先は向く。
だが、勇香は一瞬力を緩め、俺のナイフをよける。
スピードは、勇香の方が上だ。
すぐに包丁をこちらに振り下ろされる。
半歩右へ、よけた。
俺のナイフが勇香の首筋を狙う。
1歩前へ、よけられた。
だが、背中はこちら側にある。
矢でもう一度首筋を突こうとすると、
「キヲツケ、レイ!」
掛け声とともに礼をされたせいで、矢は空を切った。
さっき刺されたせいで、俺は右足をほぼ使えない。
左足を包丁で刺されかけて……右へ跳ぶ。
勇香の右に並ぶ形になった。
勇香が向かい合ってくる。
突き出された包丁を矢で跳ね返す。
矢が折れて、取り替える。
持っているものを含めて、あと2本。
つまり、あと2回折ったらまずい。
ナイフを突き出されて、ナイフで跳ね飛ばす。
今度は包丁を飛ばしてきた。
矢でやりあって……それが折れた。
「チッ」
舌打ちをしながら、矢を取り換える。
最後の1本だ。
ナイフを勇香の顎に飛ばす。
包丁で跳ね返された。
そのまま、包丁で攻撃してくる。
ナイフで対応するも、跳ね返せない。
そのまま、ナイフを飛ばしてきた。
ナイフを使えない限り、矢で対応するしかない。
と思って矢をぶつけると……
それが折れるのが、視界の隅で確認できた。
ヤバい。
また、勇香がナイフで攻撃してきて、それをよけると―――
ドスッ
俺は仰向けになって倒れ、勇香は胴にまたがる体制を取った。