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*14*
強志君も私も、すごく息が切れていた。
今のところ、生命与奪の権限は私が握っている。
でも。
「嫌だ……」
「な、にを、言っているんだ?」
「もう、殺したくない……」
「ターゲットは、俺じゃないのか?」
「そう、だけど……!」
もう、後悔はしたくない。
だから……。
立ち上がると、強志君も立ち上がった。
「強志君は、私を殺してもいい。けど、私は、強志君を殺さない」
「……じゃあ、俺も殺さないよ。っていうか、おまえ、無所属か?」
「……所属?」
「そうか。なら、いい」
強志君の言っている意味が分からない。
「俺の方でも、『光』の事は秘密にしておく。……またな、勇香」
最後に、私の名前を呼んでくれて……
強志君は、去っていった。
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