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終わらせよう 【完結】
作者: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU  (総ページ数: 26ページ)
関連タグ: シリアス・ダーク 長編 殺し 
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10~ 20~

*23*

 勇香がナイフと包丁を取り出すのが見えた。

 トモキ先輩の所持物は鎌とナイフ。

 鎌の柄の先には麻紐がついていて、遠距離攻撃を可能とする。

 道具を見るだけで、トモキ先輩の方が有利だ。

「勇香!」

 再度、叫ぶ。

 が、蔦が足に絡まってうまく立ち上がれない。

 戦闘が開始された。

 先輩が鎌で短距離攻撃、勇香はナイフでやりあう。

 両者、左手が空いた。

 勇香の包丁が先輩の右腕を刺そうとするも、先輩はナイフで跳ね飛ばす。

 両方が飛びずさり、2メートルほどの間が空いた。

 その時間にも、俺は蔦を外しにかかる。

 先輩の鎌が勇香を遠距離攻撃。勇香はうまくそれをよける。

 そこで俺の蔦が外れ、勇香に応戦する。

 先輩から勇香までの距離が3メートル、先輩から俺までが1メートル、俺から勇香までが2.5メートル。

 俺の所持物は矢7本とナイフ。

 昨日の事に懲りて、矢数を増やした。

 俺の矢が先輩の頭を狙う。

 ナイフで跳ね飛ばされた。

 続いて、接近してきた勇香が先輩の首を狙う。

 鎌でやり返した先輩は、そのまま勇香の右腕を裂こうとする。

「……っ!」

 反応が遅れた勇香は、浅くも広く右腕に傷をつくってしまった。

 血が垂れる。

 それでも勇香はナイフで先輩の鎌を狙う。

 よけられた。

 その間に俺は、先輩の足元を矢で突く。

 左足を持ち上げるだけでよけられた。

 バランスを崩した先輩は、勇香もろとも倒れた。

 転じて、先輩としては絶好のチャンス。

「先輩!」

 叫ぶも、先輩には聞こえない。

「先輩!」

 待ってくれ……そいつは……勇香は、さっきも戦っていたが……。

 前に、決めたんだ。





















  もう二度と、人を殺さない、と……。

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