完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
*25*
「うああああああっ!」
断末魔の叫びが上がった。
恐る恐る目を開けてみて……一瞬、俺にはその光景を理解できなかった。
立ち上がる先輩。
木にもたれかかって動かない勇香。
俺の足元まで流れてくる、赤い液体。
―――俺は、アイツを守れなかった。
理解するとともに、俺の左に何かが置かれた。
ナイフだ。
「罪は俺が被るから。最期ぐらい、甘えるといいぞ」
こちらの意味は一瞬で理解できた。
「ありがとうございます」
言うと、トモキ先輩は公園から出て行った。
「勇香……」
俺は、人を殺すために生まれてきた。
そして、殺す相手は……死んだ。
「すまない……」
だから。
この世界にいるべきでない、俺の命を……。
―――終わらせよう。
PR