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しわすの黒歴史集
作者: 実上しわす ◆P8WiDJ.XsE  (総ページ数: 8ページ)
関連タグ: 黒歴史 コメディ・ライト 
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*1*

 ――ロシェリー島。
 そこは、離れ島と呼ばれる島であり、そして、魔法使いがいるということで有名な島でもある。
 のどかな田舎みたいな景色見たさに、誰もが住みたいと願う場所でもある。
 ただ、そこは一つの欠点があった。
 魔法使いの力に頼ることしかできなかったのだ。
 魔法使いの力で商業し、遊び道具を作ったり、その他諸々……。
 この島は魔法使いの協力があって、平和になっている――そういっても、過言ではない。

 ――そんな魔法使いの島に、一人の見習い魔法使いがやってきた。
 
 腰まで伸ばした銀髪がゆれ、コバルトブルーよりも深い青の瞳が街を見る。
「ここが、ロシェリー島なのね……」
 彼女は、とある制服を着ていた。

 ――その制服は、魔法使いのものだった。

   ***

 今日も、この島は平和だった。
 大空を自由に飛び回るシルフの娘、
 露店で色々な品物を売るノームの商業人、
 濁った水を澄ませているウィンディーネの女性とまだ若い子供、
 よく燃えている炎を飲むサラマンドラの青年……。
 ――エルリィもまた、この島の住民であり、一部だった。
 彼女はシルフ族の一人で、エルフと呼ばれている。エルフが女のシルフ族の意味で、ニンフというのが男のシルフ族のことらしい。
「今日も、いい飛行日和だねっ!」
 右手を使い、エンジンを起動させる。
 ブルルルッ! という元気な音が聞こえてきた。
「じゃあ――フライング! レッツゴー!」
 自分なりに考えた、飛行するときに発する言葉を叫ぶ。
 飛行機が飛び立つ。
 大地がどんどん離れていく。
「じゃあね、みんなっ!」
 挨拶してから、エルリィは再び前を向く。
 雲を突き抜ける。
 その先には、いつも見ていた空が待っていた。

「あの……失礼します」
 低姿勢で挨拶して入ったのは、とある一つの研究所だった。
 ‘錬金術研究所 ロシェリー島’と、入り口の看板に黒い墨汁で大きく書かれてあった。
「レベッカさん、いますかーっ?」
 続いて、少し大きな声で、エリスは探している人物の名前を言い放った。
 ――しかし、いくら待っても返事はない。
「…………レベッカさんっ。レベッカさん、レベッカさん!」
 シィン……と物音なに一つない部屋を見て、エリスはためいきを吐いた。
 ――いないのかしら。
 と、諦めかけたそのとき――手が後ろから攻めてきた。
 肩に手を乗せられたのだ。
「――!?」
 驚いて、慌てて後ろを振り返る。
 すると――。
「レ、レベッカさん!?」
「おはよう、エリス・ヒューマー。あんたが見習い魔法使いの者だね?」
 赤色の髪のロングヘア、
 瞳は森のような緑色――。
「はい!」
 間違いない、この人だ――と確信したときには、女性からの質問に答えていた。

「まず、問うが」
 コーヒーを飲みながら、さりげなく質問に入ったレベッカに向け、エリスは静かにうなずいた。
「どれぐらいの素質を持っている?」
 ――えっ?
 一瞬、困惑してしまった。
「そ、そんなこといわれても……」
 人に見てもらうならともかく、自分でその素質を知ることができるのだろうか?
「……自分で素質を知ることって、できますか?」
「……ああ、そうだな。できないかもしれん」
 また、一瞬困惑してしまった。
 ――自分で質問しておいて、それはないと思うけれど……。
 すっくと、レベッカが立った。
「……? どうしたんですか?」
 急だったので、思わず質問してしまった。
「きみに、魔法力……つまり、錬金術の才能を知ってもらおうと思う」
「……錬金術の才能?」
「まあ、見ててくれ」
 かわいくウインクをして、レベッカはある物を取り出す。
 赤色の、丸い水晶だった。
「……?」
 まるで炎みたいに光る水晶を見て、エリスは疑問に思った。
 ――これで、なにをするのかしら?
 しかし、それはすぐに解決に至った。
 レベッカが同じ水晶を、五つ星の紋章の端々に並べる。そして、彼女はその紋章の中心に立った。
 まっすぐ右手をかざし、空へと呼びかけるように叫び放った。
 ――魔法使いへと変身する合図を。
「今、魔法の鼓動よ響け! 炎の女神の加護を得よ!」
 その言葉を口にしたとたん――レベッカの体が光に包まれた。
 体のシルエットがはっきりと見えてきた。
「きゃっ!?」
 慌てて目をそらす――その前に、レベッカの姿が変わった。
「え……!?」
 三角形が連なる服のラインに変わったのだ。
 民族衣装を思わせる三角形は、袖、スカートに現れている。
 ――これが、魔法使いの……。
「錬金術師の服だっていうの……!?」
 あらわになったレベッカの姿は、まるで本物の魔法使いのようだった。
「……これが、回復士(ヒーラー)と呼ばれる錬金術師の服だ」
 レベッカは、にやりとした微笑みを見せて、そう言った。

 蟹(クラブ)の月 一日 4500四ヶ星年
 エリス・ヒューマー 研究所へと移動する

――――――― ***

この未完成文章は、とりあえず、書き直して上げるのもいいなと考えています。
…考えているだけです。
まだまだ文が幼いですね。

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