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君と紡ぐ二人の時間
作者: 豆狸 チェリー  (総ページ数: 17ページ)
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10~

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第 6 章
〜 柊の想い〜


体が、重い。
全身がまるで鋼鉄にでもなってしまったかのようだ。

動くのは顔の筋肉と、指先だけ。

柊は、もう自分の死期が近いことを悟っていた。

「 もう一度だけ、凍夜さんに会いたいな・・・」

柊は心の中で何度も言っていた言葉がある。

その言葉は、凍夜が来たら言おうと決心していた。

もし、もっと健康な体があったら、時間はたっぷりあったのかな・・・

柊は、凍夜との大切な思い出を忘れぬように、一つ一つ記憶を
辿っていった。


初めて出会った日、桜の木の下で、あなたは私に死期が近いと言ってい
たけど、本当にそうなってしまったよ。

それからは何度も足を運んでくれて、私とっても幸せだったなあ。

今までの孤独で寂しい気持ちを、あなたは全て埋めてくれたね。

また来てくれたら、全部話すから、だからお願い、早く来て。

凍夜、もう少し私に時間を・・・

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