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しりとりシリーズ
作者: 彩都  (総ページ数: 51ページ)
関連タグ: しりとり 
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*39*

 『夜空』

 僕は空を見ていた、夜の空、綺麗な星々──その時僕は知らなかった……これら全て僕を見ていたのだから……

「楽なものだな、たった一人の少年を監視するなんてな……」
「なっ?そうだろう?簡単だから、この少年がもっと成長した時にネタバラしでもしようぜ?」
「絶対驚くよな!そうだよな!」
「中々お前は驚かせるのが好きだな──俺はお前に呆れるよ……」
「ようやくここ迄成長したなぁ──我が主に──」
 にやり、と笑って、三人の薄い衣装の存在は笑った……これから少年に降りかかるのは、どんな災厄か、今はまだ分からない……

「今起きたよー!」
 ようやく僕は起きて、学校に行く準備をした、僕は平凡な中学三年生、これと言って進路は決まってないけども、夢は有る、それは宇宙の研究者になる事だ、僕のお爺ちゃんは有名な天文学者で兄は日本の有名な宇宙研究所の人間だ、僕も有名な宇宙の研究者になるぞ!そう思いながら、今日も宇宙関連の本を読んで勉強中だ。

「大丈夫か?そんな作戦は……?」
「ハッハッハ!大丈夫だ、人間と言う生き物の『女』に変身したら大丈夫だって!パンを咥えながら、対象者とぶつかって、下着を見せて、怨念をつける」
 縷々とした道の中、三人は薄暗い場所で話していた。
「単純に人間の本の読み過ぎだとは思うが──因みに怨念では無く因縁な、何で霊的な事になっているんだ?」
「大丈夫大丈夫!大体の意味は一緒、結局は暗い所に来させるんだから♪」
「楽だが、お前を操るには、楽どころでは無いな……」
 中々に大変な時間だな──そう思いながら、三人の内の一番長身の存在は思った、果たして、本当に引っ掛かるものだろうか、と──

「……と──っと……起きてよっと……起きてって!」
 手から腕を揺らされ、少年は起きる、今は夕方の五時──寝てしまったのだな、そう思いながら起こしてくれた巨乳の保健委員に感謝して、少年は家に帰る事にした、三人の存在が居る薄暗い場所に向かう。

「うおっ!?もう来たのか……準備は出来ているか、フィーチャよ?」
「用意は出来ている、後はぶつかるのみ!」
 身を乗り出して、フィーチャと呼ばれた体が人間の女性の存在は少年とぶつかって、穿いていたスカートからパンチラを発動する、裏から見ていた二つの存在は『イケる!』と思った。
「たぁ〜いたたたた……大丈夫ですか?」
 ……えっ?完全にパンチラを無視している?いや、そんな筈は……人間の男は人間の女のパンチラに弱い筈──って良く見たら、パンツを見ていて、顔を赤らめているが、顔を逸らして隠しているだけ!?なら、この作戦は成功!そう思いながら、ヤンキーの様に二人が現れる、そして、その場面に出くわす。
「凄いな……この演技は……おい!少年1!お前妹のパンツ見ただろう!?」
「うぅ……見てませんよ……」
「よもや妹の城のパンツが見られるとは……」
「はぁ!?城のパンツ!?イチゴ柄でしたよ!?……あっ」
「つまり、見てるよな?」
「何と!誘導尋問に引っ掛かってしまった!」
「ただまぁ、ちょっと付いてきてもらおうか?」
 完全にビクビクしている──本当にこの人が……?そう思いながら長身の存在は真っ暗な世界に呼び込む。
「むむむ……真っ暗……」
 楽そうにしてて良いのに……そう思いながら、長身の存在は二人の存在と共に膝を曲げた。
「只今で御座います……お帰りになられた……覇王様……」
「また、意味不明だよ、何だその茶番は?」
「ハッハッハ!茶番では御座いません覇王様、貴方は全宇宙を統べる存在、それが貴方様なのです」
「素晴らしい……やはり、覇王様は神々しい……」
「いやいやいやいや!僕は覇王では無いよ!ただの中学生!」
 今更厨二病の人間になりたくない!そう思いながら、全否定する、そして少年は言う。
「うぅ……覇王って言われてもいまいちピンと来ないんだけど……」
「どうでもいいんですそれは、貴方は全宇宙を統べる存在なのです、そう、貴方は宇宙の覇王でもある……『宇宙神ノヴァ』様なのです……!」
「凄く訳が分からないよ!僕は神なの!?自覚無いのに!」
「二十代目ですね、前宇宙神は」
「ハッハッハ、案外長いんだよ」
「良かったですね二十一代目」
「め……めんどくせぇ……だから逃げる!」
 縷々とした道を抜け、真っ暗な世界から離れると、そこには綺麗な夜空があった……綺麗な空だなぁ……そう思っていると、厳ついおっさんが空から現れてこう言う。
「うむ……こやつが新たな宇宙神か……どんな強さを見せるのか……案外楽しみじゃのう……」
「……う……うぎゃああああああああああ!!!!!!!!!!??????????」
 あまりにも突然で僕は気絶してしまった……そして、目が覚めると自分の家のベッドの上に居た……
「単純にあれは夢なのかな……?」
 中々リアルな夢だったな、そう思いながら、リビングに行くと……
「とりあえず、地球のご飯は美味い」
「いやぁーどれもこれも美味しいですねー(棒)」
「ねぇ、美味いですね」
 ……ねぇねぇ何で昨日の三人が居るの!?そう思いながら話を聞いた。
「単純だ、私達は貴方を宇宙神にしなければならない、なので宇宙神になる迄は同居と言う形を取らせて頂く」
 クイッとコップの水を飲み切って、長身の存在は言う。
「うむ、これから宜しく宇宙神様」
「……まだ宇宙神の話は続くの〜!?」
 ノーだノー!僕は平凡な生活をして、優秀な宇宙の研究者になるんだ、何で宇宙神にならないといけないんだ!そう思いながら、少年は食事を取って学校に向かった……彼が宇宙神になるのは何時の事やら……それはまだ知らない……

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