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さぁ、復讐を始めようか【完結しました!】
作者: 杏里  (総ページ数: 54ページ)
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15話 「……一生消えない傷を、与えてあげようか」

――――1月10日。
先輩が、久しぶりに部活に来た。
荷物を置き、彼は窓を開けた。

あ、先輩の紹介をしないとね。
遠藤 匠。
部活にはたまにしか―――月曜日、水曜日、木曜日しか来ないし、来たら来たで遊んでいる。
・・・一応、柔道部の部長。
でもね?
良いところもたくさんあるんだよ。
優しいし、強いし、時々頼りになるし、笑顔、格好良いし。
そんな先輩だからこそ、好きになったのかもしれない。
うん。きっとそうだ。

「涼し――」と言いながら、裸足で吹雪の中、外に出ている先輩を見る。
(・・・ぷっ・・・可愛い)
やっぱ、1つ上でも・・・まだガ・・・げふんげふん。子供なんだなぁ・・・







(次の復讐は、どうしようか)
裸足で雪遊びをしている馬鹿共・・・いえ。男子柔道部員を眺めながら考える。
(大城は・・・中からじわじわと責めていく)
あの女が私にやったみたいに。
十分に信用させて・・・落とす。
ああ、楽しみ。

神崎は・・・徹底的に痛めつけたい。
殴って、もう二度と立ち直れないくらいに・・・傷つけたい。
孤独の辛さを思い知らせてやりたい。

「・・・一生消えない傷を、与えてあげようか」

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