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さぁ、復讐を始めようか【完結しました!】
作者: 杏里 (総ページ数: 54ページ)
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作者: 杏里 (総ページ数: 54ページ)
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*49*
「リア充爆発しろ!」〜バレンタイン当日〜
教室に、隼人くんが入ってくる。
「はっぴーばれんたいん! (リア充爆発しろ!)」
私は、彼が席についた瞬間にマフィンを差し出した。
「ああ、サンキュ」
彼は、まずまずの反応を見せてくれた。
(……他の野郎どもには放課後渡そう)
先輩、来ますように。
私は、心の中で神に祈った。
放課後。
柔道場で「リア充爆発しろ」などとブツブツ呟いている司に、マフィンを差し出した。
「まずかったら捨ててね。ただし、私の目の届かない所で処理すること! (目の前で捨てたら殺すから!!)」
えぇ、速攻で首を締めさせていただきます。
「ありがとう、麻子」
司は、笑った。
(……先輩、来ない……あ、沢くんだぁ!!)
私は、柔道部員……沢カケルに駆け寄り、マフィンを押し付けた。
「あげる!」
私は、微笑んだ。
司の時と態度違う?……当たり前でしょう。
「あ……ありがとう……」
彼は、笑った。
えくぼができて、とても可愛い。
すごく、負けた気がするけれど。
(……あ、部長……じゃなかった。星名先輩……!)
引退したはずの元部長・星名亮介先輩が、柔道場に入ってきた。
「田宮くん、カケルくん、ささきちゃん!」
星名先輩がかけよってくる。
私は、多めに作ってきたマフィンを準備する。
「修学旅行の写真ない?」
星名先輩が首を傾げる。
「ありますよー」
司が準備しているすきに、私は星名先輩のジャージを引っ張り、マフィンを押し付けた。
「くれるの?」
「……」こくこく
「ありがとう、ささきちゃん!!」
星名先輩は笑った。よく笑う人だ。
「じゃあね!」
先輩は、去って行った。
マフィンを持って、修学旅行の写真を忘れて。
星名先輩が帰った後、いくら待っても先輩は来なかった。
(ねぇ、先輩)
(教えてください)
(この気持ちはなんですか?)
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