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くろこちゃん
作者: zorolove☆ ◆hy8R8Q8mII  (総ページ数: 18ページ)
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10~

*13*

「あっ・・・、晃尚・・・?」
晃尚は、ピクリとも動かない。
まさか、本当に・・・・
死んだ・・・・?
と、背後がざわついているのに気がついた。
「救急車!!!誰か、救急車を呼んでください!!」
すぐさま男の人が出てきて、救急車を呼んでくれた。
(晃尚・・・。)
『キャハハハハ!!!ツギハダレトアソボッカナア?キャハハハハ!』
頭の中で、声が響いた。
この前の声だ・・・・。
『ねえねえ、明日香?』
「!!」
急に、はっきりした音で、この前の声が聞こえてきた。
『次はさあ・・・、誰にするか決めてよ!明日香?』
「っ・・・!!誰・・・」
『そんなの後。ねえ、誰と遊ぶ?』
「そんなの、勝手に決めて!!!」
『そお?』
そう言うと、その声が消えた。同時に、なんだか肩が重くなった気がした。
「晃尚っ・・・!!」
晃尚は血にまみれ、青ざめているようだった。
「晃尚!晃尚!!!目を覚ませ!!バカ!バカバカ!!!」
≪いいじゃん、死んだって・・・。≫
「!!え・・?」
さっきとは、違う声が頭の中に響いた。
この声って・・・!!
≪こんなやつ、私につきまとってばっかりでさあ・・・、消えてほしいって思ってたんだよね・・・。≫
この声は・・・・。まぎれもない、聞き間違えるはずはない・・・。
自分の声だ・・・。
≪これが、あなたの本心でしょう?≫
心の奥から、ふつふつと何かが湧き上がってくる感じがした。
≪死んでほしいって、思ってたんでしょう?≫
「あ・・・!」
この時、湧き上がってきた何かが、プツンと切れた。
「・・・・・死んでほしい・・・!」
「え!!?」
救急車を呼ぼうとしていた男の人が、驚きの声を上げた。
「おじさん、やっぱり救急車、呼ばなくていいです。」
「え!でも、この子死んじゃうよ!?」
「いいから!!!呼ぶな!!」
私は、なぜ晃尚を助けようとしていたんだ。
こんな、クズを。ゴミを。

『クスッ。ああ、面白い!!次は・・・だあれ?紺野明日香さん・・・。』

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