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くろこちゃん
作者: zorolove☆ ◆hy8R8Q8mII  (総ページ数: 18ページ)
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10~

*5*

私は、思ったことは口には出さない。
けど、これは口にしていいと思った。
「・・・そんなの、いるわけないじゃない?」
「・・・・え?そうかな・・・。」
「・・ばからしいよ。」
別にそこまで言うつもりはなかったのに、私の口は気づいたらもうしゃべっていた。
まずい。どんどん幸来の表情が曇っていく。
「何も、そこまで貶すことないじゃない。」
「別に、貶したつもりは・・・。」
「・・なら、いいけど。」
そう幸来は言ったけれど、顔はまだ怒っている。バカだな、と私は親友にもかかわらずそう思っていた。


**********************************

「ただいま〜。」
誰もいない家に挨拶をする。
現在、私の両親は旅行中。
娘をおいて。
夏休みが取れたから、ゆっくりしたいらしい。

何なの?この家は。娘をおいて旅行?家族崩壊している。

一人で手を洗い、ご飯を食べ、風呂に入った。
パジャマに着替え、ベットに潜り込む。

一体、この怒りは誰にぶつけたらいいのだろう。
かかとでベットを一蹴りする。そのたびにベットがギシギシと音を立てた。
ふと、幸来と実留が言っていたくろこちゃんが頭をよぎった。

「くろこちゃん、か・・・。」
くろこちゃんがもし殺人鬼だったら。それほど好都合なことはない。
まず、実留を消してもらいたい。それから、幸来も。あんな鬱陶しい姉妹なんていなくても世界に何の屈辱も被害もない。

それから、両親。
ま、こんな家族崩壊してる家族も今のうちに縁切っておかないと。
ウザい。ウザいウザいウザいウザいウザいウザいウザいウザい
消したい。

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