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■些細な嘘から始まった ■【遂に完結!】
作者: 碧  (総ページ数: 77ページ)
関連タグ: 殺人 複雑  
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【第八話 果てしない闇】
「着きました、光様」
光の専属と思われる黒い燕尾服の執事の優しい声に、私は目を覚ました。
光は、私の顔を見てニコリと笑った。
「葵、さぁ降りて」
光に優しくエスコートされて、私は降りた。
まだ、意識がパッとしない。
寝ぼけなまこのまま歩いていて、顔面を門にぶつける。地味に鼻が痛い……。
「あはは、あわてん坊だなぁ、葵はっ」
「なっ……ちょっと眠かっただけよ!」
私の意味不明な言い訳を聞きながら、光は明るく笑っている。
光の後ろにある太陽が風景によく似合う。
「入って、入って」
光が頑丈で重そうな門をこれまた重そうに押して開ける。
顔が苦しそうなのが面白くて、不覚にもクスッと笑ってしまった。
私に笑われたため、光は恥ずかしさで顔を赤くして、拗ねて目を逸らした。

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