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*23*
「さっきの、仕返しよっ」
私は、まだ笑いが止まらないまま、扉の前へ立つ。
光曰く、ここ全体が庭だと言う。
道の端には、びっしりと赤や黄、紫のチューリップが植えられている。
それに、真緑の芝生が生えている広場(私にはそう見えてしまうほど広い)には、滑り台や、ブランコなどの遊具が輝いてみえる。
それに加え、目の前にある赤い扉だ。細かい細工がされていて、輝いている。
「これ、何で造ったんですか?」と、執事に聞くと、執事は、
「金ですよ。少し銀も混じってますが」
と、微笑して答えた。
羨ましいものだ。扉だけに、一体幾らかかったのであろうか。
私が、そんなことを考えていると、また何かにぶつかった。
そして、そのものは言った。
「あら、貴女がお客様? 光が女の子を連れてくるなんて」
彼女は、クスクスと笑っている。
私は、後ずさりする。
「あの……貴女は?」
私は、怪訝な表情で聞く。
彼女は、
「あら、光の母よ」
とニコニコ笑いながら答える。
よくみると、薄桃のドレスを着ている光の母は、色白で美人だ。
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