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■些細な嘘から始まった ■【遂に完結!】
作者: 碧  (総ページ数: 77ページ)
関連タグ: 殺人 複雑  
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10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~

*35*

私は、その赤い液体を口に流し込んだ。
なんか……不思議な味だ。美味しいっていうか、苦い。とにかく、苦い。
あまり飲みたく無い味だった。人生初だったからかな。不味かった……。
とりあえず、全て流し込み、日子さんにグラスを返した。日子さんが、
「お代わり、どうぞ?」
とグラスを渡してきたが、私は断わった。もう、飲みたく無い。

暫くすると、皆が席に着き出した。私も、黄色いテーブルクロスがかけてられている高級感溢れるテーブルの前に座った。この椅子、木製だから座りやすい。
「皆様、今日は一日お楽しみください」
日子さんの声が会場に響き渡る。
私は、豪華な料理を前にいただきます、と手を合わせた。
美味しそうだなぁ。さっきからこれしか言ってない気がする……。
一口、蛤を食べてみる。口全体に甘みが広がったあとに、少し苦くなる。
さっきの飲み物……(あっ、ワインだ!)に似ている味だが、ワインとは違い、嫌な感じはしない、美味しい。

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