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■些細な嘘から始まった ■【遂に完結!】
作者: 碧  (総ページ数: 77ページ)
関連タグ: 殺人 複雑  
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【第九話 幸せとは、なんだ?そして……】鈴木 一斗

「はぁ……」
俺は、溜息をつく。
今日は、嬉しい日だ。なぜかというと、退院の日がきたのだ!
だが、反対に嫌なこともある。それは……謎の手紙が来たのだ。もう一度、手紙を開いて見てみる。

『鈴木 一斗様
こんにちは。お元気でしょうか、右足を鉛筆で刺されて? 今回は、坂本家でパーティーをするので、それのご招待をするためにこの手紙を送りました。
貴方、今まで大変でしたね。あの人気アイドルの霞を「コロ」してしまって。そして、葵まで巻き込んだ。
その過去を消したければ、来なさいな
ーーーーーーーーより』

誰かは、分からない。だって、名前が黒く墨で塗られているから。
一体、誰だろう。桃色の便箋と、それに添えられた青い薔薇。とっても綺麗なのだが……問題は、その内容だ。
なぜ?俺が霞を殺ったのを知っている?そして、一番の謎は……、
「葵」
のことだった。

誰だろう、それは?俺は、葵なんて人と面識はない。それに、霞は生きていた。俺と毎日、演技をしてた。なのに死んだだって?おかしすぎる。笑いが込み上げてきた。

「アハハハハッ!」

だが、坂本家のパーティーに招待されるのは、理屈がある。それは……車の会社「SAKAMOTO」のCMに俺が出たことがあるのだ。ちょうど……霞を殺った次の週くらいだったはずだ。それで、車は沢山売れて、商売繁盛ってわけだ。我ながら、俺の人気、すげぇな。

「ガラガラ……」
ドアが開いた。清水か?いや、違う。俺は、手紙を読みかけの本にしまった。

「調子はいかがですか?」
俺の部屋に入ってきた人は、いや人達は……坂本家だった。それに、坂本家とは違う人物もいる。確か、「amanda」のオーナーの美空だったような気がする。俺はあそこの常連だからな、あっちも知っているはずだ。まぁ、そういう意味じゃなくても俺のことは知っているだろう。

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