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■些細な嘘から始まった ■【遂に完結!】
作者: 碧  (総ページ数: 77ページ)
関連タグ: 殺人 複雑  
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*45*

ーーガラッ

また、ドアが開いた。今度は、本当に知らないやつだ。女の子と、男ってところかな。
俺が二人をじーっと見ていると、女の子が口を開いた。
「ねぇ、誘拐されてくれない?」
は?いや、誘拐されてっつっても、Yesと答えるやつはなかなかいないぞ……。
「え、いや……」
作り笑いをしながら、応えようとする。が、応えるのはどうしたらいいかよくわからない。
「こら、鈴。お前、バカだな。常識が抜けてる」
ああ、その通りだな。今度は、男が喋っていた。見かけによらず、こえは結構低かった。
「バカじゃないよ!主旨はあってるよね?」
「……あぁ、合ってる」
つまり、二人の会話を聞く限り、どちらにしろ俺を誘拐したいわけだな。
「いや、誘拐といわれても……身代金か?」
苦笑しながら、二人に聞く。身代金なら、清水が可哀想だな。多分、あいつが全部静めようとするだろうしな。
「違うよー。依頼だよ、依頼!」
「ターゲットにそれ漏らしたら意味ないだろ」
男は女の子に注意している。あー、地味に和むな。こんな時だけど、若い子供は可愛らしい。
「依頼ねー……ま、いーや。誘拐していーよ」
なんか、この頃楽しいことなかったしな。少しくらい、楽しんでも……いいよな。
(清水、ごめんな。俺、ちょっと楽しんでくる。)


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