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*10*
そして、卒業式がやって来た。
みんな、感極まって涙が止まらない。私も涙腺が爆発した。最後に、一年生がお花を私たちにくれた。
「中学生になっても頑張ってください。」
「ありがとう。」
そんな会話が繰り返される中、私はふさ子さんがどんな事を言ってくるのかが予測不能だった。
「卒業、おめでとうございます。」
「ありがとう。ふさ子さん。」
「それで・・・。」
「ん?何?」
「私、篠田さんみたいに頑張って優しい姉さんになりたいです。」
「ふ、ふさ子さん・・・。」
私が最後に見たふさ子さんの顔は今まで見られなかったくしゃくしゃの笑顔だった。
そうして、私はふさ子さんの笑顔を小学校の大切な思い出として残し、小学校の校舎から去って行った。
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