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自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望
作者: 多寡ユウ  (総ページ数: 16ページ)
関連タグ: 虐め 
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これは中学の話である。



ある一人の少年は過去に“虐め”というものを受けていた。
 

 虐めてよい存在というものが彼の中学校時代には存在したのである。
それは古代エジプトのクジャトリャ、スードラなんかがそうであったようなスクールカーストである。
スクールカーストの最上位には餓鬼大将、それこそ某猫型ロボットと馬鹿な小5の少年が繰り広げるドラ○もんに登場する剛田武ならぬジャイア○を想像してくれればその類で間違えない。だが、虐められっ子であったこの少年がそんなスクールカーストの上位に存在できるはずも無く、勿論某ドラ○もんの“のびた”のように最底辺に甘んじるわけである。

 まあ、それはある意味致し方ないことなのだ。虐められっ子は、自分個人の力で虐めの壁を這い上がって、その子を虐めていた奴等を蹴落とし、見下し、嘲笑うことなど出来やしない。それを決行する勇気、決意、度胸が無い限りそんなことを虐められっ子は思いつきもしない、なぜなら。



 なぜなら虐められっ子は、それらが無いからずっと虐められているのだ。

 人と人の関係に飽き飽きしてどうでもいいと思ってしまった結果が、虐められるという結果を生むのではない。ジャイア○が不意に“野球やめねぇ?”と言い出したらジャイア○虐められるのかと問われれば、そうではない。だが、スクールカーストの底辺に位置する“のびた”がもしジャイア○の前で同じ台詞をほざいたのならば、それはいじめの対象となるし、某猫型ロボットの漫画であるならば、ボコボコ、であるだろう。

 虐められない子達は彼らの友達に対しては何をやっても虐められることはない。対して、虐められる子は何をどう工夫し、無理に笑顔を作り、話そうとしても、虐められる子はやはり虐められる。

 しかしながら、これは悪魔で持論である。この少年は誠に残念ながらどういう風に自分自身の行動を臨機応変に変化させても何の改善にもならなかったし、終いには悪化の一途を辿る事となってしまったが。


彼までも少年改め、俺のようにするわけにはいかない。

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