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黒魔女さんが通る!!パロディ『さいキョーのへなチョコ』
作者: 塩月 夏子  (総ページ数: 10ページ)
関連タグ: 黒魔女さんが通る!! ちょっぴりダーク… 
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*7*


…いや、彼は消えては、いなかった。

実際には、図書館のイッチバン奥の、イッチバン端の、
イッチバン隅っこの方に素早く、身をひそんでいたのだった。

本当は、消えようとしたのだが、ひそんだあとで、
自分の持ってきたオカルト本を忘れたことに気づき、
どうにもこうにもというわけなので、
さっきの少女が去るまで、待とうという、情けない選択になってしまったのだ。



ああぁ………。なんという失態…。
こんな姿をアイツが見たら、ボクは、どうなってしまうんだろう…

そんなことを思いながら、チラっと横目で向こうをみやると、
さっきの少女が
その本に気づき、パラパラとめくっているではないか。

まじかよ…

彼女は、無我夢中で読み進めると、何事か、はっとして、
こっちを見た。

ヤバい!!

ボクは、素早くもっともっと、隅っこに動いて、
しゃがみこんだ。
ボクと、ボクの本か、無事であることを祈りながらも、
心の中で、うずくような感覚に気をもんだ。
とにかく、いち早くこの状況が終わってほしい。
そんな気持ちでいっぱいだった。

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