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【銀魂】運命のワンダーランド
作者: シルバー  (総ページ数: 4ページ)
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第1訓  鬼の気持ち
これは、銀さんが松陽先生と会う前の話。



「今日はこれしか飯がねえのか。」
         ブル
「ああーさむ。」
それもそのはず、季節は冬。こんな夜遅く、幼い子供が屍の上で着物一枚だけなら寒いはずだ。
きょうは何人殺したかわからない。俺は人を殺していかなければ、生きていけない。
「もう寝よ!」
こんなこと考えたって無駄。自分にそう思い込ませ、屍から着物をはぎ取った。
いつからだろうか、俺が屍を食らう鬼と呼ばれ始めたのは。
自分が天人なのか、人間なのかわからない。
何もかも周りと違う。そう考えていると、いつの間にか意識が途切れた。


朝になれば、また食料探しに出かける。この誰のかわからない刀を持って。
刀はもうボロボロだった。それは、俺でもわかることだった。
刀など屍から奪えばいい。そんなことは分かっている。
だが、自分を何年も守ってきた刀。そう簡単に捨てられなかった。

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