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*21*
.幼い頃の記憶.
レイヤの頭の中にある言葉がこだましていた。
「「レイヤ、一緒にいような」」
ユウヤの頭の中にも、ある言葉がこだましていた。
「「おにいちゃん、一緒にいようね」」
ポツン・・・
ポツン・・・
それぞれの涙の主は、レイヤとユウヤ。
「レイヤくん、大丈夫」
「ああ、大丈夫」
レイヤは、涙をぬぐうが・・・
涙は、止まることを知らないように、次々と流れていく。
「レイヤくん、泣いちゃいなよ」
サーヤは、レイヤのことを包み込んだ。
「・・・イヤ・・・だ」
「そしたら、いつまでもためこんじゃうよ?」
「・・・いいんだ。僕は、いつもそうだから」
「少しは、姉を頼らないと、ダメ、だよ?」
「僕は、頼りすぎたんだ。・・・ユウヤに。だから・・・」
「わたしは、1度ぐらいは、頼ってほしいよ。頼ってくれないと、さみしい、よ」
「・・・本当か?・・・本当に頼っていいのか?」
サーヤは、力強くうなずく。
「・・・・・・・・・っ・・・」
レイヤは、サーヤに泣きじゃくる。
まるで、小さな少年のようにーーー
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