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馬(シリアス)
作者: 栗おこわ  (総ページ数: 10ページ)
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*7*

第七話

「…おら。こっちに来い」
「ブルルルルルル…」
しゃがんだ私は「いつつ…」と、叩かれた頭をさすった
「恵、平気か」
「…」
私は父の手を払い、立ち上がった
「…カーウ、シン」
「恵。お別れしてこい」
「…」
私は役人の手綱に結ばれた二頭に駆け寄った

「娘。すまないな」
「…」
二頭は澄んだ目で私を見つめた
「…ごめんね。ごめんね…ごめんなさい…」
言葉を重ねる毎に涙は溢れてきた
「ごめんなさい…」
泣き崩れた私を、カーウがペロペロ舐めた
「…無事に戻ってきて・・・・」
カーウとシンの頭を撫で、ぽろぽろこぼれる涙を拭った―

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