完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
リンゴはうさぎさんに《終・栗のあとがき》
作者: 栗おこわ (総ページ数: 19ページ)
関連タグ:
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
作者: 栗おこわ (総ページ数: 19ページ)
関連タグ:
*11*
第7生 見えて
次に私は、犬に会いに行くことにした。
犬とは、私の隣の家の「伊藤さん」と言う老夫婦が飼っている、雑種犬。名前は、「モコ」
お父さんが犬アレルギーで犬を飼えない私は、モコに毎日会いに行った
「お、おじゃましまーす…」
今日始めて、「お、」などと言った。ほんとに言っちゃうもんなんだなあ…
すると…
「ワン!ゥワン!」
と、犬小屋につながれているモコが吠えた
「やっぱり、犬って幽霊とか見えるのか」
「ワン!」
私はゆっくり、ゆっくりとモコに近づいた
「モーコッ」
いつもの口調で呼ぶと…
「ゥアン!」
と、かわいらしい声で吠え返した
「声も、聞こえてるのね…。 …モコ!触ってもいい?」
私がしゃがむと、モコの尻尾がふさふさ揺れた。
そして私が触れると(ほんとは触れてないけど)、私の顔をぺろぺろ舐めた(舐められてないけども)。
「ふふふ。モコ、かわいいね…」
私がモコを抱く(抱けないからしゃがんだまま)と、モコがふせた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…はあ。モコ。私ね、死んじゃったの」
私がモコに言うと、モコが「え?」というようにこちらを向いた
「…わかんないか」
「私ね、今日までしかここにいられないの」
「だから、モコにあえるのも今日で最期」
「…」
「…なあんて、言ってもわかんないってか?ふふふ。ゴメンゴメン。でも、モコにしか、話せないから…」
「アン!」
つづく
PR