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リンゴはうさぎさんに《終・栗のあとがき》
作者: 栗おこわ  (総ページ数: 19ページ)
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10~

*2*

第1生 ドア

―…目を開けた
私は座っているようで、頭が重い。
その視界の中には、赤とピンク色をしたドアがあった

「ここ……は?」
と、記憶を探る
そして、ふ と応えが浮かんできた

「…ああ、私。。。。」

死んじゃったんだ…

そのとき

【お迎えに参りました、森田百合架さん】
と、心が温かくなる、不思議な言葉がどこからか聴こえてきた
「どうして…私の名前を?あなたは…女神様?」
私が立ち上がりながら聞くと、
【…ううん、どうでしょうか?よくは分かりませんが、まあそうなのでしょうかね】
「そう…なんですか」
と、会話が終わると、目の前に光と虹が現れた。
それは、とても目を開けて直視できるものではなく、手で目を覆った
「眩しい…」


目の前の眩しい光は、光の加減から察するに、収まったらしい。
恐る恐る、手をどける

【こんばんは。女神(仮)の、エリンです】
と、自己紹介する、美しい女性が立っていた
「さ…さっきの?」
【YES!】
と、頷いた
女神(仮)様は、深緑色の髪・青い大きい目・真っ白なワンピースという「まさに女神」な格好であった

【で、よ。森田百合架さん。えっと…あなたは、交通事故でお亡くなりになった、17歳。合ってるかしら?】
と、女神(仮)様が、ピンク色の書類に目をやりながら言った
「はい、合っています」
私がこくりと頷くと、女神かっこ…ああ面倒くさい。女神様、でいいわ!
で、女神様は、【よし】と言って背筋を伸ばした

【では森田さん。どうぞ、この扉を開いてください】
「…?」
【この扉は、天界へと繋がるものです。】
「天界…」
女神様の言葉を聞いて、驚いたし、怖かった
「その扉をあけたら…もう、こっちには還ってこれないんですよね」
女神様に尋ねると、女神様は【ええ、もちろん】と、言った

「……あの。。。お願いがあります」
【?何かしら。極力、協力するわ】
と、女神様は優しい笑みを浮かべて言った。
その笑顔を見ると、口に溜まっていた言葉がすらんと出てしまった

「…今まで、私を見守ってくれていた人達に、お礼を言いたいのです」

                      つづく

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