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*44*
「はっ、くだらねー」
「―――!?」
紗綾、しずく、波香は、悪魔の発言に反応し、後ろを向く。
そこには、倒れているマテリアルの姿と笑う悪魔の姿。
「…うっ」
「しずくちゃん!?」
すると、しずくが倒れ、人魚の姿から普通の人間の姿になった。
「大丈夫…力…使いすぎただけ」
しずくは、薄く笑った。
「はっ、馬鹿だよなー。こんな奴らの為に自分犠牲にするとか」
―――ピキッ
悪魔の言葉に、紗綾が反応する。
「あなたに…あなたなんかになにが分かるの…」
許せない 許せない
「しずくちゃんを…波香ちゃんを傷つけて…なにかいいことでもあるの?」
なんで、笑ってられるの
紗綾の目から、一筋の涙がこぼれおちる。
「絶対に、許さない!」
―――カッ!
紗綾の怒りに応えるように、ポケットに入っていた剣が輝きだす。
紗綾は、それを取り出し、悪魔に向ける。
そして、剣は元の大きさになる。
「…はっ、なかなかおもしれえこと言うじゃねえか。でも、お前にオレは倒せねえよ」
「…それでもいい。ただ、立ち向かうだけ」
そう言うと、紗綾はまっすぐ悪魔に向かって走りだす。
「ただ、それだけ!」
紗綾の怒りの炎が、悪魔に降りかかる。
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