完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

魔天使マテリアル 「涙のしずく」 【完結】
作者: マヤ  (総ページ数: 49ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル ファンタジー 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~

*45*



「ははっ、なかなかやるな」


「………っ」



笑い続ける悪魔に、紗綾は剣で切りつけようとする…が。


それは、なかなか当たらない。



「その剣は、まだ本当の力に目覚めていないんだよ。無理だ」


「それでもいい! わたしは、それでもあきらめない!」





   仲間 それは、友達 それは、信頼できる人



      そして、守りたい人





「わたしは、みんなの為に戦う!」




何度倒されても、立ち上がって戦い続ける紗綾。


いつもの穏やかな表情からはとても想像できない。




「…きゃあっ」


「紗綾!」




悪魔によって体を投げ飛ばされた紗綾は、しずくの近くに転がった。




「紗綾…剣貸して」




しずくは、そう言うと人魚の姿になった。






   「我、人魚の力を持つもの。剣に、本来の力を与えよう」






水の力が剣に集まり、剣に着いていた宝石がさらに輝きだす。







     「紗綾…あたしたちの為に、ありがとう」






しずくはそう言うと、人間の姿に戻り、その場に倒れた。





「しずく…ちゃ…」




紗綾は、もう一度剣を握り締める。



もう、負けない。  もう、誰も傷つけたくない。





   「…破魔の力よ、闇を払う力を我に与えよ……」






     自分の力に、耳をすまして






―――ダンッ!






紗綾は、目に見えないほどの速さで悪魔に近づき、剣で切り裂く。




「が…は…っ」




黎夜たちの目に映る紗綾は、いつもの紗綾ではない。





「破魔の…聖女…か」





破魔の力に目覚めた、王女紗綾。





「…あなたは、しずくちゃんや、波香ちゃんを傷つけすぎた…」






紗綾は、こつ、こつとそっと近づいていく。








   「もう、これで終わりよ」









その後、紗綾の攻撃によって悪魔は霧散した。


44 < 45 > 46