完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
*7*
エネのタイムスリップ七話
「貴音…?大丈夫…?」
「大丈夫…ちょっと感動しただけよ…?」
遥に抱きしめられてるのに…ホントは嬉しいはずなのに…喜べない。涙が出てくる。こうやって抱きしめられてるのも、ただ、私が泣いているから抱きしめてるだけなんだろうなとおもうと…
「貴音…感動してるかおじゃないよ…?悲しいかおしてるよ…?」
「うっさい…しょうがないでしょ…」
「なにがしょうがないの…?」
遥が質問攻めにしてくる。
こんなこと、言えるはずない。
「ホントに…なんでもない…」
「そんなわけないよ…貴音が悲しいと僕も悲しくなるよ…」
そんな偽りの言葉、きいて呆れる。
「遥…それ、ただ私が泣いているからいってるだけでしょ?」
「そんなことないよ!ホントに…貴音のこと思って…」
「じゃあ…なんで私のこと思ってくれるの…?ほら…嘘だから言葉もでな…」
「貴音のこと好きだからだよ」
遥は私の言葉を言い終える前に言ってしまった。
「はぁ…!?あんた…なにいってんの!?」
「貴音が好きっていってるんだよ…?」
「っ…!!」
「貴音は…?僕のこと好き…?」
「なっ…なわけないでしょ!?」
ホントは好きなのに…好きって言いたいのに…ホントにいじっぱりだな…私って…両思いになれて…嬉しいのに…涙がでてくるよ…
「貴音…ホントのこと言って…?」
「さ…さっき言ったことがホントだって!」
「嘘、バレバレだよ?」
遥は私の嘘を簡単に見抜いた。そしてクスッと笑った。
遥の意地悪…
「私も遥のこと…好き…」
私のかおは真っ赤になってると思う。
そして、遥はクスッと笑い、
「良くできました…」
私にキスをした。そして、
「さよなら―貴音。」
私は気づくと、遥の目の前じゃなく、ご主人の前にいた。
「なにボーッとしてんだよ。」
「な…なんでもないですって!」
あれは夢だったのかな…でも…手には…
「あ、ご主人!これをみてください!」
私はパソコン画面にそれを表示する。
ご主人はそれをじっと見つめ、全部読み終わったあと、一粒の涙をながした。
「エネ―これ―」
「電脳紀行してるときにみつけたんです!」
「俺、散歩してくる…」
「あ!私もついていきますよ!ご主人!待ってください!」
手には…アヤノちゃんの遺書があった。
あれはきっと嘘なんかじゃない。
もう、私は思い残すことなんかない。
あ、でも1つだけありますね!
これからのご主人を見守っていくことが!
終わり