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エネのタイムスリップ
作者: 青喜  (総ページ数: 8ページ)
関連タグ: カゲプロ エネ 遥貴 
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*7*

エネのタイムスリップ七話

「貴音…?大丈夫…?」

「大丈夫…ちょっと感動しただけよ…?」

遥に抱きしめられてるのに…ホントは嬉しいはずなのに…喜べない。涙が出てくる。こうやって抱きしめられてるのも、ただ、私が泣いているから抱きしめてるだけなんだろうなとおもうと…

「貴音…感動してるかおじゃないよ…?悲しいかおしてるよ…?」

「うっさい…しょうがないでしょ…」

「なにがしょうがないの…?」

遥が質問攻めにしてくる。
こんなこと、言えるはずない。

「ホントに…なんでもない…」

「そんなわけないよ…貴音が悲しいと僕も悲しくなるよ…」

そんな偽りの言葉、きいて呆れる。

「遥…それ、ただ私が泣いているからいってるだけでしょ?」

「そんなことないよ!ホントに…貴音のこと思って…」

「じゃあ…なんで私のこと思ってくれるの…?ほら…嘘だから言葉もでな…」

「貴音のこと好きだからだよ」

遥は私の言葉を言い終える前に言ってしまった。

「はぁ…!?あんた…なにいってんの!?」

「貴音が好きっていってるんだよ…?」

「っ…!!」

「貴音は…?僕のこと好き…?」

「なっ…なわけないでしょ!?」

ホントは好きなのに…好きって言いたいのに…ホントにいじっぱりだな…私って…両思いになれて…嬉しいのに…涙がでてくるよ…

「貴音…ホントのこと言って…?」

「さ…さっき言ったことがホントだって!」

「嘘、バレバレだよ?」

遥は私の嘘を簡単に見抜いた。そしてクスッと笑った。
遥の意地悪…

「私も遥のこと…好き…」

私のかおは真っ赤になってると思う。
そして、遥はクスッと笑い、

「良くできました…」

私にキスをした。そして、

「さよなら―貴音。」

私は気づくと、遥の目の前じゃなく、ご主人の前にいた。

「なにボーッとしてんだよ。」

「な…なんでもないですって!」

あれは夢だったのかな…でも…手には…

「あ、ご主人!これをみてください!」

私はパソコン画面にそれを表示する。
ご主人はそれをじっと見つめ、全部読み終わったあと、一粒の涙をながした。

「エネ―これ―」

「電脳紀行してるときにみつけたんです!」

「俺、散歩してくる…」

「あ!私もついていきますよ!ご主人!待ってください!」

手には…アヤノちゃんの遺書があった。
あれはきっと嘘なんかじゃない。
もう、私は思い残すことなんかない。

あ、でも1つだけありますね!

これからのご主人を見守っていくことが!

終わり

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