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*162*
「行くわよ、姉様。サンダーストーム!!」
「やっ!!ウォータースプラッシュ!!」
雷の嵐と、水がぶつかり合う。
だが、圧倒的にルリィの方が不利だった。
バチンッ!!
「うっ!!」
「ルリィ!!」
ルリィが押し負け、弾き飛ばされる。
すぐさま、リクが駆け寄る。
「だいじょぶか!?」
「う……うん………」
呼吸が荒々しくなっていた。
「やっぱり、俺が………」
「いいの!!」
ルリィの言葉に遮られた。
今まで聞いた事のない主張の声にリクは驚いていた。
「言った……でしょう……?
妹の事は……姉の役目だって………」
ルリィのその瞳は、何を言っても無駄そうだった。
「……分かった………ただ、無茶はするなよ」
「うん………ありがと………」
そう言うと、ルリィは立ち上がりリコの方へ向かって行った。
「まだ立つの?」
「リコ………」
ギュッ………
「!!」
「な……」
ルリィは、思いっきりリコに抱きついた。
「な、何を!!」
「……ね……」
「は?」
「ごめんね……」
気づくと、ルリィは……
泣いていた。
「な……」
「辛かった…でしょう。カイリの行動……。
あれで分かったの……。あの時の……怖さ……」
「!!」
「ごめんね……ダメなお姉ちゃんで……!!」
大粒の涙が、ルリィの頬を伝っていた。
すると、リコにも異変が起きていた。
「ね…ぇ……様………」
リコも、泣いていた。
「姉様………姉様………!!」
姉妹揃って、泣いていた。
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