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世界最強のエスパー 【絶チル】
作者: 夏織  (総ページ数: 5ページ)
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*2*

プロローグ

部屋中に張り巡らされたECM。
窓もなく、まるで何かを閉じ込めているようなその部屋に声が響く。

 「お嬢様、朝食をお持ちしました。」

ドアの外から聞こえてくる使用人の声。
毎度毎度の事だが、声が震えてる。

優「ありがとう、下がっていいわ。」
 「では、いつもの時間に。」

そそくさと早歩きで戻って行くのを確認し、
テレポートで朝食を部屋の中に入れた。
ベットから降りて私服に着替え、料理を食べる。

優“ESP抑制剤・・・こんな事しなくても出る気なんてねーよ。”

食事を終え、外に出した後、またベットに横になる。
優星がエスパーだと分かった時から、ずっとこんな暮らしが続いてる。
別にこんな壁、簡単に破壊する事はできるんだけど・・・

優“外に出たって、俺の居場所なんてどこにもない。俺に与えられた運命は、不自由のないここでの生活だけ。”
 『ホントにそれでいいの?』
優「え?」

跳ね起きても誰もいない、テレパシーで流れてくる声。

 『外にもここにも居場所がないなら、ボク達の所へおいで。』
優「お前は誰だ。ECMが設備されているこの部屋で何故ESPが使える?」
 『違う次元から語り変えているからだよ。朝宮優星、君はこっちに来るべきだよ。おいで、君の仲間が待ってる。』
優「俺の・・・仲間?」
 『そう、君と同じエスパーがたくさんいる世界。』




2012年6月10日。
世界を脅かす破壊兵器と言われた少女、朝宮優星は姿を消した。
壁を壊した後も、部屋、家を出た形跡もない。
部屋に残っていたのは一つだけ。
彼女がいつも付けていた、空色のリボンだけだった。

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