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カミサマノオオセノママニ
作者: 藍  (総ページ数: 6ページ)
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*2*

トビラの奥は通路になっていて、薄暗いが一本道なので迷わない。
だが、明かりがないと不安になってくる。

「有梨沙さん、奥にトビラがありますよ!」

恵美ちゃんに言われたとおり奥を見るとトビラがあった。
恵美ちゃんはどうやら目が結構いいらしい。

「このトビラの先に他にいる6人の人がいればいいけど…」

私はつい本心を口にする。
もし、このトビラの先にいなかったら不安になる…と思う。

ギイッ

トビラが開く。

「…!?だっ、だれ!?」

そこには女性二人が座り込んでいた。

ーーーーーーーーーーー

「あ、あなたたち誰なんですか!?」

「私は高水有梨沙と言います。弁護士をしていて、たまたま事務所のほうで眠ってしまったらしく…起きたらここに。」

「私は藤沢恵美って言います。高校2年生です…私は買い物に行ったら道に迷ってしまって…その後の記憶が曖昧に…」

私達は軽く自己紹介をし、私の知っている限りの今の状況を話す。

「私達は今、カミサマノゲイムとかいうものに参加させられているようなんです。」

できるだけ分りやすく説明する。
今はとにかく状況を伝えるのが優先事項だろう。

「あ!それってあの画面に…!」

どうやらこの部屋にもアノ画面があるらしい。
もしかしたら画面はどの部屋にもあるのか…?

「あ、申し遅れてごめんなさい。私は佐藤真理(さとうまり)と言います…学校教師をしています。私っ…なんでこんなとこにいるのか分らなくて…っ」

今まで我慢していたのであろう涙が溢れる。
それをそっと慰めながら、もう一人の女性に目を向ける。

「私は、井上ユリカって言います…いちお漫画家やってます…原稿描いてて、休憩にと思い寝てしまって…起きたらここに」

ユリカさんは私と似ている感じの…
すかさず二人のことについてメモを取る。

「皆さん!この部屋の画面の言葉が…!」

いつのまにか部屋の調査でもしていたのであろう恵美ちゃんが画面を指さす。

『サトウマリ 23サイ ショクギョウ キョウシ 8サイノトキニ ユウカイサレ クルシサヲシッタ カミノコウホシャ カミテキカクド 80.7%』

…ん?カミテキカクドが変わっている?

「なっ!?なんでそんなこと知ってるんですか?!もうこんなことやめて私達をここから出してください!」

真理さんが画面に向かって叫ぶ。
だが、返事は返ってこない

「あ、あの!皆さん、真理さんのカミテキカクドとかいうのが変わってる!」

ユリカさんも私と同じことを思ったのか…
すかさずメモを取る。

「もしかしたらカミテキカクドとかいうやつは私達がなにかすると変わるのかも…今はとにかく、ここにいると思われる残りの4人に会ってみてからのほうがいいと思います。私と恵美ちゃんが目覚めた部屋にはトビラが4つありました。残り3つの部屋にもしかしたら残りの4人が…いるかまだわかりませんが早く残りの部屋を調べた方がいいのは確かです。私がいた部屋に戻りましょう!」

3人が同時に頷く。
そうして私達は2つ目の部屋をあとにするのだった…

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