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*11*
X話 <六兆年と一夜物語>
暴力と蔑んだ目の毎日
化け物の前には少年は、ただ立っていました
村の人には、話しかけるなこれが掟でした
「君の、名を教えてよ?」
少女は戸惑いました。
今まで普通に話しかけられた事が無かったからです
(ごめんね・・・・)
ただ、化け物は思いました
その日から、毎日少年は化け物に、会いに行きました
そうしているうちにその少年に
化け物は少しだけ、ほんの少しだけ
心開き始めました
「ねぇ、こんなところ居たって、つまんないからさ
一緒に行こう?」
そういって、少年は、化け物の手を引いていきました
何も知らない化け物
慣れない人の手の温もりは
ただ、本当に本当に本当の事なのでした
「何で・・・君は・・・やめないの?」
化け物は消え入りそうな、声で言います
でもその声は、美しく透き通った声でした
「何でって・・・君、いつも狭い所にいる
だから、広い空を見せてあげてあげたかったんだ!」
「殺される・・・・・よ?」
「そんなことは、大丈夫!!さぁいこう?!」
雨上がりの夕焼けの空に
2人の子供の影が映っていました
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