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終わらせよう 【完結】
作者: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU  (総ページ数: 26ページ)
関連タグ: シリアス・ダーク 長編 殺し 
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10~ 20~

*11*

 俺が殺せるのは……たぶん、成人だけだ。

 なんども、人の命を終わらせた。

 終わらせた命の数は、計り知れないだろう。

 ……でも。

 この雪田勇香を、この手で終わらせる。

 引き受けてしまったから。



 移動は、いつも歩きだ。

 たとえ、青森から岡山までだったとしても。


 バスやタクシーは、使わない。

 なぜなら……


 酔うからだ。







 勇香のいるところに着いた。

 そいつは……ビルの陰で、何かを見張っていた。

 探偵ごっこか?

 もう、夜も更けるような時間だというのに……。

 声を掛けようとして、考える。

 これなら、誘拐犯ごっこでもするか?

 ……。

 よし、実行だ。




「こんなところで、何をやっているんだ……雪田、勇香ちゃん?」

 聞こえているはずなのに、何も反応しない。

 こいつ、盲耳か?

 と思っていたら。

「……っ!」

 右膝あたりに、激痛が走る。

「皐月、強志、さん……?」

 膝に刺さっていた刃物を引き抜きながら、勇香が喋る。

「ああ、そうだ……お前、殺し屋か……?」

「え、え……。ふ、ふ、ふたつ名は、ひっ、『光の殺し屋』、よ」

 こいつが!?

 男だとばかり思っていたが、まさか、こいつが『光』だったとは!

「……偶然だな。俺の肩書は、『闇の殺し屋』だ」

 驚きを、必死で隠した。

「えっ……!?」

 勇香は、本当に驚いていた。

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