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終わらせよう 【完結】
作者: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU  (総ページ数: 26ページ)
関連タグ: シリアス・ダーク 長編 殺し 
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10~ 20~

*20*

 さっきから、何とも言えない殺気が後ろから立ち上ってくるような気がする。

 振り向いても、誰もいない。

 このいすは公園の出口側を向いて設置されているから、雑木林の方から……?

「林の方に行かない?」

 気がつけば私は、強志君に聞いていた。

「……いいよ」

 どこからこの殺気がやってくるのか、知りたかっただけだけど。

 林の中で見つけたのは……。

「「トモキ{さん/先輩}!?」」

「……あ、見つかった。また会ったな、強志、勇香ちゃん」

「どうして先輩がここにいるんですか!昨晩、きちんと断ったでしょう!?」

「え、強志君、断ったって何を」

「強志……お前、ちゃんとやってんのか?友好関係を深めるのはいつものやり方だが、この調子で出来るのか?」

「そ、それは……っ」

「強志君もトモキさんも、ちょっとストップ!」

「「……」」

「トモキさん、どうしてここにいるんですか?強志君、昨晩、何を断ったの?まず、この質問にそれぞれ答えて!」

「二人の様子を見るため。それ以上は答えられない」

「おっ、お前を、殺……やっぱ言えない!」

「まだまだ謎だらけだよ……」

 深〜くため息をついた私は、もう一度質問する。

「トモキさんは、強志君の何ですか?」

「……一重に、先輩」

「だから、何の」

「……行動に移してもいいか、強志?」

「ダメです、やめてください!」

「分かんないってば!」

「……もう、問答無用。あと30秒で行動を開始する。30、29、28、」

「っ!勇香、逃げろ!」

 いきなり強志君が公園の出口を指さした。

「何で?まだ私、何も分かってない!」

「いいから、逃げろ!知ることもできなくなるぞ!」

「だから、それってどういう意味!?」

 逃げないといけないことは分かってる。

 でも、それより先に好奇心が働いていて……。

「……トモキ先輩は、殺し屋だ!ターゲットが、今のところお前なんだよ、だから逃げろ!」

「!」

 知りたい事の謎が全て解けて、林の奥の方へ逃げた。

「15、14、13、12、11、」

 後ろの方で、トモキさんのカウントが聞こえた。

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