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終わらせよう 【完結】
作者: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU  (総ページ数: 26ページ)
関連タグ: シリアス・ダーク 長編 殺し 
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10~ 20~

*19*

 勇香は、昨日と同じ場所にいた。

 だから俺も、昨日と同じように話しかける。

「こんなところで、何をやっているんだ……雪田、勇香ちゃん?」

 反応は、昨日と違った。

「貴方を待ってたの、強志君!」

 加奈よりも、屈託のない笑顔だった。

 ―――こいつは、本当に殺し屋なのだろうか?

「そうだ、一緒に行きたいところがあるの!」

「……どこ?」

「近くの公園。奥の方に緑がたくさんあるところ!」

「ふうん。行くか」

「うん!」

 公園に着くまで、俺たちは何も言わなかった。

 お互いに、警戒していたのかもしれない。

「ここ!対象年齢未就園児だけど、私にとっては平和でいいとこなんだ!」

 確かに、奥側には雑木林があった。

 右側に遊具、左側に保護者用のいす、中央に砂場。

 俺たちは椅子に腰かけ、喋り出した。

「今日さ、不思議な人に会ったよ」

「どんな人?」

「私たちより、少し年上って感じの人」

「名前は?」

「えっと……トモキさん」

「ぶっ!げほ、ごほ、ぐふっ!」

 ペットボトルで持ち歩いている茶を吹出してしまった。

 幸い、俺たちのほかに人はいない。

「え、強志君、大丈夫!?」

「ぐふっ……ぅ、大丈夫」

「そう?私、何か変なこと言ったっけ」

「ぜんぜん」

 問題は、トモキ先輩が勇香に話しかけたこと。

 世の中に『ともき』さんはたくさんいるだろうけど、勇香に話しかけたならまず間違いないだろう。

 もし、今も勇香をターゲットとして見ているとしたら……。









 ―――勇香は、どうなってしまうのだろうか……?

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