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サトミちゃんちの8男子〜異常な日々〜 完結ありがとう!
作者: もも  (総ページ数: 206ページ)
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*201*

あ…。
今更だけど、皆真っ白なシルク生地の服だ。
あたしはノースリーブのワンピで、男子たちはタキシード。
シノとケノ以外は、白いネクタイで、2人は蝶ネクタイ。
靴はあたしの奴はガラスでできたハイヒールで、男子たちが全員会社員の人が履いてそうな奴。
なんていうんだろ。
あ、ゲンパチが差し出してくれたハンカチも、白だったな。

「シンベー…?」

「えっ」

シンベー、いた?
そう思うけど、なんか喜んだり驚いてる風じゃない。
こわごわしながら上を見上げたら、
真っ赤な目を爛々と光らせたシンベーがいた。
その隣…ううん。シンベーを抱き上げてるのが、

「竜輝…」

だった。
え…。シンベーに、何をしたの。まさか、傷つけてない?
そんな…そんな…っ。

「シンベーを、放して!返して、元のシンベーを…!」

気づいたら、叫んでる。
その叫びに続いて、

「放してもいいけど、大変なことになるかもね。それでもいいなら放すよ。さあ、どうする?仲間がかかっているんだろう?」

冷たく、突き刺さるような声で竜輝が言う。
なんで、そんなことを言うの?もう、元のシンベーじゃ、なくなってしまったの?
そんなことを思いながら、茫然と突っ立っているあたし。

もう、周りなんて視界に入らない。
ただ、シンベーと竜輝が見えるだけ。
その後ろのものも、全然入らない、見えない。
とにかく今は、
怖くて、悲しくて、しょうがなかった。

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