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南総里見八犬伝 その後 【完結しました!!】
作者: もも  (総ページ数: 23ページ)
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10~ 20~

*16*

使用人「義成公様。八犬士を連れてまいりました」

義成公「お前らは下がっておれ。八犬士よ。すだれをくぐってくるがよい」

信乃「失礼します…。あの…義成公様、どのようなお話でしょうか…?」

義成公「おお。よくぞ聞いてくれた。実はな、浜路が素晴らしい案を出してくれたのだ」

信乃「はっ、浜路が!?」

現八「信乃。いくら幼馴染の記憶があろうと、今は浜路姫様、と呼ぶ立場なのだぞ」

信乃「そうだった……。申し訳ございません。義成公様」

義成公「いやいや。別に、どう呼ぼうと大丈夫だ。お前ら八犬士と、わが娘たちは、結ばれる結果となるのだからな」

信乃「いや、だから、義成公様」

壮介「信乃っ」

信乃「…」

毛野「それで、義成公様。そろそろ本題に」

義成公「ああ。そうだな。それで、私が言いたかったのは…」

八犬士「…」

八犬士たちは、気を引き締めた。なんせ、義成公が、どのようなことを考えていたのか、そして、浜路が提案した考えとは、どのようなものか、気になっていたのだから。

義成公「まあ、そう固くなるでない。で、浜路が提案した案は、このような…」

と、義成公は話だし、浜路の素晴らしい案―定期的に城に戻ってくればよいのではないかという案―を、八犬士たちに淡々と話し出した。

義成公「―と、いうことなのだが…どうだろう、この話は呑めるであろうか。これならば、私もよいのだが。あとは、お前らが良いというか、断るか、だけだ」

………………長い沈黙………………

子文吾「俺は、それでいいぜ」

新兵衛「俺もー」

道節「おっ、俺もっ!」

現八「僕も、それでいいです」

大角「私もそれでいいでござるよ」

壮介「俺も一緒」

毛野「一緒でーす」

信乃「…」

義成公「信乃、お前は、どうだ」

義成公は、信乃に向かって、優しく、ゆっくりといった。だが、当の信乃は、相変わらず、口をつぐんだままだ。その時。

壮介「そう固く考えるなよ。なっ」

毛野「そうだよ。少しの間だけでも、やってみよう。ね」

と、口々に言いだした。

信乃「………か」

道節「ん?」

信乃「皆さんは…皆さんはどうしてそうすぐに、簡単に決めてしまうのですかっ!!?もう少し、考えたりしないのですか…っ」

他「…!」

信乃「皆さんは知らないでしょうけど。まあ、皆さんが知る由もない話です」

信乃は、ゆっくりとと話し出した。


信乃「これは、僕の父さんと、義成公様が中心となる話です。義成公様がいる前で話すなんて、おかしいですね。きっと。というか、第一最悪です。ですが、話しますね。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
僕の父さんは、僕同様、名刀村雨丸を、義成公様に返したがっていました。実は、一度父さんは村雨丸を返したのです。そして、義成公様から、素晴らしいお役目をもらいました。そして、城をもらい、住んだのです。

そして、一年がたちました。父さんは、幸せな日々を送っていました。ですが、その日を境に、きっぱりと、人生が変えられてしまったのです。





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