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繰り返される永遠の物語〜魔法界編〜
作者: 夕月カレン (総ページ数: 27ページ)
関連タグ: ファジー 神 王国
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*紹介文/目次*
初めてましての方ははじめまして。
ごきげんような方はごきげんようです。←
お名前を夕月カレンです。
以後お見知りおきを。
前のお名前を水沢麻莉衣と申します。
お名前は気分で変えることにしたのですが。
ともあれ今回もファジー小説でお世話になります
少々グロイところもありかもですが、よろしければどうぞ。基本、魔法界での神様のお話になります。
うえのURLは前作の『罪人の娘』です。
完結図書館にて。
続きを書くかも?です。
最初のほうつまらないかもです。
最終章の方をすこしちらーっと読んだ方が話が掴めます。
*****************
program
storyI*神々といにしえの魔女
1 君をたどりし記憶 >>1 >>2
2 鏡の向こうのルリちゃん >>3 >>4 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10 >>11 >>12 >>13
3 愛と傷を振り返れば >>14 >>15 >>16
4 神々戦争 >>17
story?*蘇りし『双子神』
1 オルゴール >>18 >>19 >>20 >>21 >>22 >>23
2片割れと懐かしの愛情 >>24 >>25 >>26 >>27
story?
最終章 >>28 >>29
王国への訪問者様
>>5 林檎さま
ここではコメントしてくださった方を訪問者様とお呼びします。
character
リリア神 人間界を司る神々
金髪のウェーブした髪をハーフアップする神。
基本、黒いワンピースドレスを好む。常に十字架のネックレスを首に下げている。
本人曰く『束縛』を意味する。
普段は魔法界の魔女の一人を依代としていて、目覚めると少女の身体を乗っ取ることがある。怪我を負っても兄の身体の影に入ることができ、そこで休む。そうすると治るのが早く、治癒効果がある。
水無月 麗『みなつきれい』 魔法界の少女
透明の透き通る肌と髪をもつ魔法界でも珍しい少女。
病弱。リリアが依代としてきた少女で、麗が幼なじみと思い込み接している『葵』に依存する。
本人は取り付かれている事を知らない様子で乗っ取られている最中も意識が昏睡状態のため、気づいていない。
神無月 葵『かんなづきあおい』
魔法界に普通の魔法使いとして生きていた少年だが、本来ならばリリアと同じく人間界を司る神々の双子神の一人、『リリィ』神。美嘉には葵ではなく、カオルと呼ばれる。意味はわからない。
リリィはリリア神が付けたニックネームで、本名はわかっていない。
赤城美嘉
私立の学校に通う少女。金髪の美少女。
頭脳明晰だが、少々ズレている。
本編の主人公であり、物語を進めるキーとなる役割をもつ。
レイチェル
神々の使いとよばれる職務につく、青い髪のリボンをつける女性。
アイリス神
神々の世を司る神々で金髪の露出狂・・・のため、神々からは露出神と呼ばれる。
本人は露出を自覚していない。
ルシア神 魔法界を司る神々
魔法界を司る神々で、極度のロリコン。妖女を使用人にするなど、まったくわからないことをする。
彼がする行動は誰もが理解することが出来ない事が多い。
陽璃神『ひかり』
太陽を司る神々。ルシアが好きで、べったり。
妖女をあまり好いていない。
白川 ミズホ
カオルとアスカの幼なじみ。
ミルカの娘。
白い髪をもっている。
白川 ミルカ
アデス警察特務部隊の初の女令官となる女性。
左脚は義足だが、素晴らしい運動神経を持っている。
アイさん
美嘉がお世話になる人。
金髪で院長夫人。職業、精神科医。
アイリス神…?
10~ 20~
*12*
****************美嘉
シェルターには射撃している音がずっと響いていた。
眠ろうにも、その音が怖くて、眠れなかった。
・・・こんなにも恐怖を感じたのは、あの日いらいだろう。
『・・・美嘉をよろしくお願いします』
『ええ・・・。はい。わかりました。美嘉ちゃん、今日からよろしくね』
『・・・はい。叔母さん』
母さんは私を、五歳の時に捨てた。
母さんはわたしを嫌がっていたのはしっていた。
それから、知り合いの叔母さんの家にわたしを養子として預けた。いや、捨てた。
五歳でもちゃんとわかっていた。
『美嘉ちゃん。安心していいのよ。叔母さんが良くしてあげるから』
母さんはわたしを捨てたって。
もう、要らないんだって。
最初からいらない物、だったけれど。
『そういう事だから。
イイコにするのよ、美嘉ーーーーーーわかった?』
あんたに言われなくてもわかってた。
イイコしなきゃ愛してくれないって事は。
愛情を捨てたわたしにたった一人、カオルくんだけは優しくしてくれた。愛情をくれた。
うれしくてうれしくて。
カオルくんに不思議な感情をいだいた。
恋愛感情とは別物の、なにかを。
『美嘉。僕は神無月葵。君に会えて良かった。君がいてくれて良かった。』
こんな言葉をかけてくれたのはカオルくんだけだった。
叔母さんも母さんもなにも言ってくれなかった。
ただただ、イイコにしろって。
何でも良かった。
変える場所が欲しかったから。
「美嘉?どうかした?」
「えっ・・・、ああ。ううん。ごめん。全然何でもいいから。えへへ。ごめん・・・」
「何かあるなら話して。いつでも、聞くから。」
カオルくんはそう言ってイヤホンを耳につける。
ーーーまた、聴いてるーーー。
「なんで・・・いつも音楽を・・・?」
わたしはすっとイヤホンを取り、わたしの耳につける。
そっと肩をつけた。
カオルくんはゆっくり目を開けた。
「逃げているんだ。嫌な世界を消すために。僕の知りたくない音を聴かないためにーーー逃げてるだけの、僕は偽善者だから」
「ちがうよ・・・」
わたしは急に涙が溢れる。
何でかはわからなかった。
ただただ、涙が溢れる。
「ちがうよ・・・逃げてないよ・・・偽善者なんかじゃない・・・。わたしは!知ってるから・・・」
「・・・うん、ありがとう・・・やっぱり・・・」
私の声がきみに届くように。
心に届くように。
「君に会えて良かった。君がいてくれて良かった。」
わたしにはそんな優しい声と、ピアノの物静かな曲が響いていた。