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繰り返される永遠の物語〜魔法界編〜
作者: 夕月カレン  (総ページ数: 27ページ)
関連タグ: ファジー  王国 
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10~ 20~

*26*


最終章*『君がいて良かった。君に会えて良かった。』

****************

『こんな世界滅んでしまえばいいのにーーー』

わたしが願ったこの願い。
ほんとうに口から出てしまったーーーありのままの言葉。
わたしが願ってしまった言葉ーーーー。

そしてリフレイン…。
リフレイン…。

時は戻される。
あの時へ。

「…はっ…」

と夢…『悪夢』から覚める。
覚めたのもつかの間。
戻される。
戻される。
時は戻される。

わたしが願ってしまったために。

『こんな世界滅んでしまえばいいのにーーー』

と。
あっけなく願ってしまったために。
こんな事になった。
ーーーーリフレイン。リフレインされる。
戻される。戻される。

「みぃかあー?」

アイさんに起こされるわたし。
これが何度も繰り返される。
これはーーー繰り返される物語ーーーー。
わたしのために。
わたしのために。
わたしが願ってしまった願いをこの物語は、忠実に叶え続ける。
神々はわたしの見方。

「君の願いだろ?
僕は君のために叶え続けているだけだよーーー」

カオルくんの声。
わたしの聴きたかったあの時の声。
あああああああああああああああああああああ。
聴きたくない。
聴きたくない。
カオルくんの弾いたピアノなんて聴きたくない。
優しい声なんて聴きたくない。

「これがーーーわたしの望んだことなの?そうなの?そうなんだよね。」

「ああ。そうだよ。君が願ったのさ。
永遠という名の………物語」

そっか。
いいね、永遠てーーー。
君と同じ時間を行き続けることができる。
わたしの愛した永遠という名の…物語。

カオルくん、君は知ってたんだね。この物語が繰り返されていることを。
知らなかったのは、わたしだったんだね。
願ってしまったわたしだったんだね。
でもこれでーーーずっと一緒だね。

『こんな世界滅んでしまえばいいのにーーー』

滅んだ世界でわたしたちは永遠を刻む。
滅んだ世界でわたしたちは物語を繰り返す。

****************

コツコツ・・・。
ハイヒールの音がする。
ん・・・だれ・・・。白衣の女性。
・・・金髪に白衣にハイヒール。
この女性に見覚えがあるのは確かだろう。憶測でしかないが、アイさんだ。
アイさんとはわたし、赤城美嘉を引き取ってくれた義理の母親である。
カラ・・・と小さくドアが開く音がした。
あ、もしかして寝坊したかな、わたし・・・。起こしに来てくれたのかも?早く起きないと・・・。
とも思いつつ、身体は一向に起き上がる気配がない。
眠すぎる。
夜遅くまで勉強してたのが悪かった。
睡眠はここまでも大事だったらしい。

****************

ほらね。
繰り返される。
わたしたちの永遠という名の繰り返される物語。

物語は今日も永遠にーーーーー。


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