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*19*
咲ちゃんが家に来るようになって2か月がたった。
僕たちの中学校は、夏休みに突入していた。
僕はコンビニからの帰り道、ふと足を止め、空を仰いだ。
青の絵の具をまき散らしたような空、アスファルトをジリジリと照りつける太陽…。
僕は、太陽のことをひとにらみしてから、ふたたび歩き始めた。
「…にしても、どうして僕がパシリなんかに…」
独りつぶやいた。
僕の独り言が、アスファルトの上にできた陽炎に吸い込まれていく。
僕は暑さにだれそうになりながらも、家路を急いだ。
否。急ごうと努力はした。
軽い倦怠感を覚えながらも、やっとのことで家に着いた。
僕は、その場に倒れこみたい衝動を必死にこらえ、2階へ上るために階段をのぼりはじめた。
しかたがない。
こうなってしまったのも、僕の浅はかな行動のせいなのだ。
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