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*10*
「さ、できたよ」
私は、舞を自室へ招き入れ、ひと通りの手当をした。
「ありがとうございます。さえかさん…」
舞はそう言ってにっこりと私に笑いかけた。
●
「…にしても舞、あそこの池に落ちるなんて災難だったね」
私がそう言って舞に笑いかけると舞はびっくりしたように瞳を丸くさせ、
硬直していた。
「ま…、まい…?」
「…!あ…せ、すみません。身内以外の人に名前を呼び捨てにされたことがなかったので…少し…びっくりしてしまっただけです。すみません」
「あ、い、嫌…だった?」
私が困ったように舞を見つめると舞は焦ったように頭を振った。
「いえ、違うんです、逆に、うれしいくらいで…」
「そ、そっか…よかった…」
私達はくすくすと笑い続けた。
私達はいろいろな質問をし合った。
住心地はどう?とか、
好きな人はいるの?とか、
好きな食べ物は?とか…。
でも、私がある質問をした瞬間、楽しい時間は幕を閉じてしまった。
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