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*紹介文/目次*
ある日、宮内家にて。
れんげ「ウチお泊りするん?」
一穂「うん。姉ちゃん明日から1週間研修なんよ。ひかげは当然東京だし、
母ちゃんたちも知り合いの結婚式に呼ばれて1泊しちゃうからさあ、
れんちょんは明日1人になるっしょ。 だから夏海たちのトコで預っ
てもらうことになったんだよ。あまり迷惑かけるんじゃないよ。」
れんげ「ウチ、1人でも平気なん。具と一緒にいるん。」
一穂「いやいやいや。さすがに1人は無理っしょ。れんちょんのご飯の事とか万一の時の事とかさ。」
れんげ「・・・分かったん。ウチ、なっつんたちのトコでお泊りするん。」
れんげは少し黙ったが、そう言った。
一穂「よっしゃ。えらいえらい。(れんげの頭を撫でる) そんじゃ今から夏海たちのトコに行って、れんちょんからも挨拶してきなよ。」
れんげ「分かったん。行ってくるのーん!!」
れんげは家を出ると、越谷家へと向かった。だが、その道中でバイクに乗った駄菓子屋に出会った。
駄菓子屋「おっ、れんげじゃん。」
れんげ「駄菓子屋、にゃんぱすー!!」
駄菓子屋「これから夏海たちのとこでも行くのか。」
れんげ「そうなん。明日お泊りするから挨拶しに行くん。」
駄菓子屋「あっ、お泊り? なんだよそれ。」
れんげは事のいきさつを話した。
駄菓子屋「そ、そうか。じゃあ気を付けて行ってこいよ。」
そう言うと駄菓子屋はバイクを動かしどこかへ行った。
駄菓子屋「先輩、別に1晩ぐらいならアタシに預けてくれたってよかったのに・・・」
駄菓子屋は思わずバイクのスピードを上げた。
一方、れんげは越谷家に着いた。
れんげ「にゃんぱすー。」
「は〜い」と奥から声がしてきた。
雪子「あら、れんげちゃん。どうしたの? もしかして、明日の事で?」
れんげ「そうなん。挨拶しに来たん。明日はお世話になりますん。」
雪子「偉いわねぇ〜。ちょっと待っててね。今、夏海呼んでくるから。」
1分程して夏海がやってきた。
夏海「うぃーっす、れんちょん。聞いてるよ。明日泊まりにくるんでしょ?」
そういうと夏海はれんげを家に入れ、居間に招いた。居間には、小鞠と卓もいた。
小鞠「あ、れんげ来てたんだ。」
卓は右手を挙げて「こんにちは」のポーズをとった。
れんげ「こまちゃん、にぃにぃー。にゃんぱすー。」
小鞠「だから『こまちゃん』って言わないの!」
夏海「いいじゃんいいじゃん。もう今更。定着しちゃってるんだからさ。」
小鞠「勝手に定着させるんじゃないの!まったく・・・」
卓も夏海程ではないが、微妙に笑みを浮かべた。
れんげはそんないつもの越谷家の光景を見て、何かを感じた。宮内家とは、また違った家族の光景を。れんげは思った。いつも仲良くしているけど結局は別の家族。果たして明日のお泊りで、上手くやれるかどうか。れんげは不安になった。