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BULLET LIFE【完結】
作者: ゼフィルス  (総ページ数: 5ページ)
関連タグ: シリアス バイオテロ 戦記 
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*2*

BULLET LIFE 〜序章〜2

少年、歩は動物的勘で何やら不穏な空気を感じ取った、額から冷たい水滴が伝ってきた、その間も辺りから人の気配は感じられない。
「……、急ごうか……。」
無理に引きつった笑みを作り、学校へと足を速めた。

……通って来た曲がり角に目をくれなかったのは幸か不幸か……。



彼は、蜥蜴の様な奇妙な怪物と血に塗れた女の死体を見ずにここまで来たのだった。

〜学校〜

「ハァハァ…つっ……着い……た。」
息を荒くしてそう呟く、不吉な気配を感じ取った後、長い間通学路を走り続けた彼は完全に疲弊しきっていた。
「いっ……今何時……?」
ブレザーのポケットの中を探り、携帯を取り出し現在時刻を確認する。
「今…8時16分⁉…いつもチャイムが鳴るのが……15分、この距離だと聞こえるはず、なのに何で……チャイムの音が聞こえ無かったの……?」
みるみるうちに顔が蒼くなっていく、瞳孔は開いており、身体が小刻みに震えている。
「……放送委員は?…先生は……?みんなは無事なの……?」
答えなど返ってこないと解かっていながらなお、行き場の無い疑問を投げかける。
「……行くしか無いのか……。」
そう言って彼は校門の向こうへと踏み出した、校舎は未だかつて無い程に、禍々しい無数の静寂に包まれていた。

〜序章〜2

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