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BULLET LIFE【完結】
作者: ゼフィルス  (総ページ数: 5ページ)
関連タグ: シリアス バイオテロ 戦記 
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*3*

BULLET LIFE 〜序章〜3

門を潜り抜け、更に歩みを進めると正面玄関のが迫って来た、ガラス張りのドアの向こうに紅い何かがちらほらと見える。
「……。」
彼は蒼白になった顔を強張らせて、ドアをゆっくりと押した。
「……っ!」
ゾクッと背筋を冷たい空気が、凍てつく様に中枢神経を駆け抜けた。
彼は身体をがたがたと震わせ、口元を両手で押さえつける、この世の終わりでも見たかの様な表情で、校舎内の赤を見つめている。
「……!!」
彼は見てしまった、見るべきでは無かったそれを……。



あちらこちらに転がっている
生徒や教師の死体を



「……っ……嘘だ!みんな…死んでる…。」
玄関に転がっている死体は皆、頭部が抉れていたり、四肢のどれかが無かったり、或いは眼、耳、半身など、どれも激しく損傷していた。
「っ……、嘘…だ……。」
思わず双眸からは涙が溢れた、血生臭い空気が漂い、嘔吐を催しかける。
「……うぁ……あ……何で……?」
ぽたりぽたりと水滴が頬を伝い、床にある血溜まりに溶け込むかの様に混ざっていく、あまりの現状に嗚咽を漏らし、膝をついて倒れ込む。
びちゃりという音がして紅い液体が辺りに飛び散る。
「……、生存者を探そう……まだ…生きてる人がいるかも。」
一縷の希望を信じ、まだ衝撃からは完全に立ち直れてはいないものの、生存者が見つかる事を祈り、校舎の奥を目指した。

〜校舎内探索〜1

校舎の中は、朝とは思えない程薄暗かった、辺りには玄関と同じ様に血溜まりが出来ており、無数の死体が転がっている。
「酷い…こんなに大勢の人が死んでいるなんて…まさか全校生徒が……?」
全校生徒は600人以上いる、それらの生徒全てが死んでいるとなると全国でも同じ様な事が起こっていてもおかしく無い、現に街でも人の気配はしなかった。
「……俺のクラス……。」
3年4組と表示された教室の前に着いた、不気味な気配が漂い、入ろうという気を削ぎ落とす。
「っ……行くか……。」
行動しなければ何も始まりはしないと自分に言い聞かせ、木製の教室のドアにと
手を掛けた。
ガラガラガラという音がして教室の光景が広がった、そこには……。

〜序章〜3

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