完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
*4*
常闇の世界
光も 音も 物も
何もない
ある物は闇と静けさ
全てが漆黒の闇に染まる
波一つたたない 静寂な海に私は沈む 何処までも
孤独の海に私は沈んでいく 何処までも
独り沈んでいく
記憶もない
名前もない
意思も感情もない
からっぽの人形
何もない私は海に沈んでいく
生きる意味などなく
ゆっくりと 時間をかけて沈み続ける
だけだと思っていた
あの方に広い救われるまでは―
闇に支配され 静寂な海に あの方は光を照らし
私に生きる意味を与え
からっぽだった器を満たしてくれた
私に名前を下さった
新たな生を下さった
だから我は戦う
あの方の盾となり 剣となって
向かってくる敵を全て皆殺しにしてくれよう
我を常闇の海から救いだしてくれたあの方
バーナード様の駒として闘い続けよう
だって我は
般若の面と紅き鎧をまとった騎士
――叢なのだから
PR