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五次元商人(ごじげんしょうにん)
作者: 燕雀冬雪  (総ページ数: 10ページ)
関連タグ: オリジナル 
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*8*

僕が想像したものを作り出す能力を持っているならいくつか説明が付く。
・僕が埋蔵金出てこないかな…と考えて穴を掘ったから出た
・いくら掘り当てても生活に不便はない。
などこのくらいだろう。
だからといって姉さんと一緒にいた時間はどう説明する?僕らの間で何も感情のない人形劇が繰り広げられてきたのか?
 「貴方の能力は作り出す事で操る力はありませんよ…だから貴方と貴方の姉との信頼は変わりません」
そうか…僕の体も姉も想像だから消えるのか…形あるものはいつか壊れるとはよく言ったものだ。
姉さんと僕は死ぬんじゃない、やっと『僕の想像』という檻から抜け出せるだけなんだ。
 「竜…作ってくれて…ありがとう…」
僕は感謝されたことがなかった。社交辞令等はあったが、心から感謝されたのは最初で最後で最愛で1番信頼してる相手から。これ程嬉しかったことはないだろう。

    「姉さん…僕を…信じてくれて…ありが…」
そして、僕はやっと僕から解放された。

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