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*18*
一方ドラえもん達の方は、ようやくエインガーヘイトレイドを倒したように見えたが、彼は生きており、音光は重傷を負って、今は城の中で治療と理沙の回復魔法で癒されていた。
そして、エインガーヘイトレイドが外に出した者は白い子供の様な物で、皆はこの子をどうするべきか決まらなかった。
それは、明らかに奴から出た者。
つまり、今度会えば、この子を殺しに来る可能性があると見たのだ。
でも、彼には罪はない。
罪が有るとすれば、のび太よりむしろスネ夫の方だった。
何しろ今回の事件の原因はスネ夫にあるのだ。
だが、彼はそれを認めず、家は売りに出され、自分の部屋の漫画も救出できず、全部壊されてしまい、夫妻は安い物に変わって逃げようとしたが、指紋検査で引っかかり、ホテルに止める事もできず、ホステスで働こうにも顔がバレており、美容実でなんとか変身しようとしたがそれもできなくなっていた。
一方の夫の方は、なんとかなるだろうと思ったが、友達に絶交され、彼もまた、1人になった。
自分の持っていたビルも別荘も何もかもが奪われ、今手元にあるのは鞄と服だけだったが、そんな彼でも重罪で捕まり、警察でしごかれた挙句、持っている物を取り上げられて、奴隷にされてしまった。
でも、誰もやとてくれず、必死に頑張ろうとするが、誰も助けてはくれなかった。
もう、この地球上で、骨川と言う名前な永遠に消されようとしていた。
そんな中、エインガーヘイトレイドが撒いておいた種が発芽し、彼の元へ集まり始めた。
「フフフようやく発芽したか。さあ、皆俺力を受け取れー!!」
と、暗黒のパワーで、皆は黒くなり、魔法、剣士、シューター等が出来、皆はそれで親を殺し、これからこの世界を守り、この世界の住人になる事を誓った。
その情報をまともに見た王ドラは、すぐに皆に知らせた。
「え~~~~~!!? そ、そんな~」
とドラえもんが言うと、ドラ・ザ・キッドが、
「まさかあいつの種が、小学生の点数の低い子供に植え付けられていたなんて」
「手回しの早い奴でアル。このままでは、現実の世界が、幻想世界と見分けがつかなくなるでアルぞ!」
と、ドラメッドが3世が言うと、ドラニーニョが、
「わ~キレイなとこ」
「ありゃ~」
と、ドラリーニョの言葉でズッコケタ。
彼は物忘れが激しすぎるが、今回はそうは言ってられない状態にあった。
「何言ってんだドラリーニョ! 幻想は……まあ確かにキレイっちゃキレイなんだろうが、それは幻想世界だけでの話だろ? そんなもんが現実世界にまで及んだら、大変な事になっちまうぜ?」
と、エルマタドーラが言うと、ドラニコフも
「ガウガウ」
と言う。
そして、しばらくすると、その白い少年の服を手に入れたドラミが戻って来た。
「これでいいかしら」
「まあ、ただの男の子だから、これなのは仕方ないけど、一体なんで、この子があいつから放りだされたかって事なんだけど……」
と皆が考えている時、
「いるか~俺だ~」
という声がして、調べてみると、豊達だった。
「あ、豊さん。いらっしゃ~い。さ、入って入って」
と、皆を入れると、音光の治り具合と、この町の事や、エインガーヘイトレイドの事が少しだけ分かったと豊が掴んできた。
彼は唯一誰にも負けないのは優しさだった。
それを聞いた、ドラえもんは思い出す。あのキー坊の事を。それだけの優しさがあれば、彼にとってはこれからやろうとしている事を邪魔してくると思った。
だから捨てた。
もう彼には、優しさと言うものはない。
ただの戦闘マシーンになったのだ。
もう、彼にどれだけ呼び掛けても、通じはしないだろう。
皆はなんだか悲しくなった。
一体どれだけの闇で、あいつが出来たのかが知りたくなった。
おそらくはスネ夫の一端もあるだろうが、あれが引き金になったとすれば、それ以上の闇を抱え込んでいたのだろう。
ドラえもんは、それを探ろうと、何かのモニターをだし、スイッチを入れ、回しを繰り返して、闇の始まりに迫ろうとした。
だが、どうしても分からなかった。
「う~ん……」
と、悩んでいると、
アミラルが現れた。
「あ~アンタ!」
と、ラマースが言うが、ドラえもん達は始めて出会う人だ。
「この人は?」
「空間の警察の1人だよ!アンタだろ!? さっき強制的に現実と幻想の扉を閉めようとしたのは!」
「なんだって!」
「すまない。それで詫びに来た。それならば、彼等と共に、この事件を解決するように上に言われた。ちなみに武器はこれだ」
と、出して来たのはビームサーベルだった。
「これが君の武器なの? あ、それと分からない所があるから教えて欲しい」
「君達は?」
「あ、僕達はドラえもんズです」
と言うと、みんなが頭を下げた。
「こんなにいたのか。まあ、名前は後にするとして、問題とは?」
「あの、エインガーヘイトレイドって呼ばれる奴は、昔は野比のび太って言われていたのに、どうしてこれ程まで暗黒パワーを持つようになっちゃったのか、それが全然分からないんだ。なんでこうなっちゃったの?」
と言うと、彼は持って来たデータ資料から、ある者を映し出した。
「……おそらく、こいつの仕業だな」
「エス・バラード? こいつがどう関係してるんですか?」
「実はこいつは魔王が復活する予兆として放った者だ。自分の肉体を生成し、自分の言いなりになる人形を捜してな。そして、その中に宿り、復活、我々はレザレックシェンと呼んでいる。そして、その暗黒のパワーが溜まった時、魔王の分身体としてできたのが、あいつというわけだ」
これを聞いていた皆は疑問を持った。
つまり今のエインガーヘイトレイドは、第1段階過ぎないという事になるのだ。
「じゃ、じゃあ、あいつはまだ成長段階にしか過ぎねえって事か!?」
「そこまでは分かっていないが、これほどの暗黒のパワーを持っている奴はそうはいない。これは明らかに彼が暗黒のパワーを取り込まれたというか、逆に取り込んだと言った方が良いだろう。だが、そうなると、かなりのマイナスエネルギーを要求される。一体どうして……」
「それを知っている奴ならこっちです!」
と、言ってドラえもんが連れて来たのは、スネ夫の入れられた檻だった。
「こいつが?」
「そ。のび太君を、ジャイアンと一緒にいじめたり、弱点を知ったら、それを町内に流していじめたりしていたとんでもない奴なんです!」
「ちょ、ちょっと待った。い、言いすぎだぞドラえもん。ぼぼ、僕は決して……」
「嘘をつくな!! 今回の全国合同のテストののび太君のテストの答案をSNSに散らばせたのはどいつだ!? お前しかいない!! お前のせいで、のび太君をあんなにして、もう、何もかもがグチャグチャだ! どうしてくれるんだ! もう得意のお金攻撃は効かないぞ!!」
「お金?」
「そう。こいつはちょっとお金が有るからって言って、いろんな珍しい物を持っていても、のび太君だけには見せないようにしていたんだ。そればかりか、楽しそうにしている様子を撮影して送りつけてする最低な奴だ!」
「なるほど。そして、今回のテストと言うのが引き金となり、彼は生まれたのか」
「間違いありません!」
「ちょ、ちょっと待てって! 第一、その大魔王って何んの事だよ。子供騙しみたいな話ばっかりして! 僕達をいくつだと思ってるんだ!!」
「フン! 精神年齢はま~良く見ても3歳くらいかな~?」
「な、なんだと! よーしジャイアンに電話を……」
「その心配は無用だ。もうあいつも使えないぞ。今回の事件の一旦として、もう捕らえてある」
「さっすが空間警察。やる事が早い!」
と、ドラえもんは言うが、スネ夫は納得しなかった。
その時、彼の通信機が鳴った。
「どうした?」
「大変です。ダークネスクイーンが人間に対して攻撃を開始しました。」
「なんだと!? 狙いは分かるか?」
「しずかという女を出せ! そいつを殺せというのが命令だと言っています。その為に、あちこちにモンスターを」
「分かった。さいわいしずかはこちらにいる。こちらにおびき寄せて、なんとかしよう」
と言って、通信を切った。
「ダークネスクイーンって?」
「情報によれば、エインガーヘイトレイドが生み出した、彼の妻だ」
「え? 自分で産んで自分を愛させたって事?」
「ああ。それで、しずかを生贄にしようとしたんだろう? 出木杉と共にな」
「ええ? なんで出木杉君も一緒に!?」
と言うと、彼は通信機に貯まっていたデータの中から、出木杉を検索して、出してみると、そこに理由が記されていた。
「これは?」
「動かした方が分かりやすいか」
と言う事で、彼はその動画を再生すると、何時の間にやら、のび太と一緒にいたしずかは出木杉の方へ行ってしまった。
その映像を切ると、ドラえもんは納得した。
「なるほど。出木杉にしずかちゃんを取り上げられたと思ったのか」
「どうもそうみたいだな。とりあえず、これ以上、ここを破壊されないようにしなければならない。一旦幻想世界へ行こう」
「ええ? 行こうって言って、そっちで 勝手に鍵を……」
「ここにある。皆を集めろ」
「あ、あの、僕は? お前は別の物に逮捕させる身だ。そこで大人しくしておくんだな」」
と言うと、皆が集まるも、しずかは全然元気ではなく、かなり弱っていたが、イルミの回復魔法でどうにかついていけるまでには回復した。
そして、彼は、地下にある穴に鍵を差し込み、ひねると、幻想世界への入口が開いた。
はたして、幻想世界は無事なのだろうか!?